衝撃の『マトリックス』をはじめとする思い出の作品たち
池ノ辺 山田さんは、ワーナー作品の中で、何が一番印象に残っていますか?
山田 それぞれいろんな思い入れがあるけれど、やっぱり『マトリックス』を最初に観たときの、あの衝撃はなかなかでした。
池ノ辺 すごかった?
山田 試写で観たとき「なんだこれ⁉︎」と思いましたね。鳥肌が立った。「こんな映像ができるの? 」と思ったし。
池ノ辺 そうすると一番は『マトリックス』?



山田 そうですね。あとは『A.I.』。キューブリックの生前の企画をスピルバーグが映画化したわけですけど、ご存知のとおり公開前にはハーレイ・ジョエル・オスメントが立っているビジュアル以外宣材が何もなくて、これをどうやって宣伝するんだ? と苦労したのを覚えています。公開半年前の正月の新聞広告を、見開き30段カラーで打ってみたりね。日本は「感動」で持っていって‥‥。あとは『オーシャンズ11』。宣伝であのメンバー、ジョージ・クルーニーとブラッド・ピットとマット・デイモンを来日させたけど、あの3人が並んで立つだけでも普通のスタジオじゃできない。あんなことができるワーナーは、やっぱりすごいと思いましたね。本当に1本1本思い入れはあるけど、最初に観たときの衝撃ということでは『マトリックス』かな。あれは本当に忘れられないです。
池ノ辺 作品も相当な数をやってきましたよね。
山田 600本以上の作品ですから興収だけでも7000億円くらいは行ってるんじゃないですか。もちろん僕がということではなくて33年間の洋画・邦画含めて会社が積み重ねていった数字ということですが。
池ノ辺 この何カ月間かは映画部門の代表として、これまでワーナーで働いていた人たちの今後を見届けて、ということだったと思いますが、山田さんご自身の今後は決まっているんですか。
山田 まだ決まってはいませんが、もう少しこの業界に残って仕事はしたいなと思っています。
池ノ辺 山田さんの後任は?
山田 僕の後任として、もともと「20世紀フォックス」の代表でいたジェシー・リーが今、ワーナーの韓国の映画の代表をやっていて、日本語もできるということで、韓国と兼務で僕の後任になります。といっても邦画だけですが。
池ノ辺 邦画はどこで配給するんですか?
山田 邦画は自社では配給・宣伝することができないので、その都度、東宝さん、東映さん、松竹さんにお願いするか、さらに別の配給会社にお願いすることになると思います。作品ごとに配給会社を決めることになると思います
池ノ辺 山田さんはワーナーの33年間の思いを持って見届けて、次の場所に引き継いでいくということですね。
