Jan 21, 2022 interview

撮影現場でも宣伝を意識する 二宮健監督が語る『真夜中乙女戦争』と予告編

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池ノ辺 この映画を一番届けたいのは、若者たちですか?

二宮 若者に限らないですが、この映画を必要としてくれてる方たちが絶対にいると思うので、その方たちにちゃんと届けたいですね。そして観たあとに、自分の殻を打ち破ってほしいっていうか、自分の中で決めてしまっている世界の幅を、もっと広げてほしい。世界って本当に広くて、自分の気持ち次第で、どんどん広がっていくすごく素敵な一面があるから。何か背中を押せる映画になったら嬉しいですね。

池ノ辺 何者にもなれない人たちを後押しする映画になるんじゃないですか?

二宮 何者かになった方が良いとは僕は思っていなくて、何者かどうかというのは、自分で決めるしかない。一番良くないのは、後悔だと思うんですよね。時間だけは進んでいくので、一つボタンの掛け違いがなければ出来たことが、出来なかったとしたら、それが一番よくないと思うので。どこかでちゃんと自分を見つめて、一歩を踏み出す。何かそういった刺激になるといいなと思っています。

池ノ辺 最後の質問です。監督にとって映画って何ですか?

二宮 僕は、それを改めて考える間もなく、映画というものに片足とかでなく、もう全部の足を突っ込んでしまった人間なので、自分を動かしている細胞の一つみたいなものだと思うんです。やはり世界を広げてくれるものだと思います。自分一人じゃ手に入れられないものを、映画は非常に誠実に世界を広げてくれると僕は思っているので。それを生み出せる人間でいたいなって思っています。

インタビュー / 池ノ辺直子
文・構成 / 吉田伊知郎
撮影 / 岡本英理

プロフィール
二宮 健(にのみや けん)

脚本・監督・編集

1991年12月17日生まれ。大阪府出身。2017年、自身で製作した『眠れる美女の限界』を自らリメイクした『THE LIMIT OF SLEEPING BEAUTY―リミット・オブ・スリーピング・ビューティ―』(17)で商業映画デビュー。以降、『チワワちゃん』(19)『とんかつDJアゲ太郎』(20)など次々に監督作が公開されるほか、新たな日本映画を発掘する上映企画<SHINPA>も主宰している。

作品情報
映画『真夜中乙女戦争』

4月。上京し東京で一人暮らしを始めた大学生の“私”。友達はいない。恋人もいない。大学の講義は恐ろしく退屈で、やりたいこともなりたいものもなく鬱屈とした日々の中、深夜のバイトの帰りにいつも東京タワーを眺めていた。そんな無気力なある日、「かくれんぼ同好会」で出会った凛々しく聡明な“先輩”と、突如として現れた謎の男“黒服”の存在によって、“私”の日常は一変。カリスマ的魅力を持つ“黒服”に導かれささやかな悪戯を仕掛けたり、“先輩”とも距離が近づき、思いがけず静かに煌めきだす“私”の日常。しかし、次第に“黒服”と孤独な同志たちの言動は激しさを増していき、“私”と“先輩”を巻き込んだ、壮大な破壊計画“真夜中乙女戦争”が秘密裏に動きだす。一方、一連の事件の首謀者を追う“先輩”は、“私”にも疑いの目を向けていた。“私”と“先輩”、“私”と“黒服”、分かり合えたはずだった二人の道は少しずつ乖離していき、3人の運命は思いもよらぬ方向へと走りだす。

脚本・監督:二宮 健

出演:永瀬 廉(King & Prince)、池田エライザ、柄本 佑

配給:KADOKAWA

©2022「真夜中乙女戦争」製作委員会

公開中

公式サイト movies.kadokawa.co.jp/mayonakaotomesenso/

池ノ辺直子

映像ディレクター。株式会社バカ・ザ・バッカ代表取締役社長
これまでに手がけた予告篇は、『ボディーガード』『フォレスト・ガンプ』『バック・トゥ・ザ・フューチャー シリーズ』『マディソン郡の橋』『トップガン』『羊たちの沈黙』『博士と彼女のセオリー』『シェイプ・オブ・ウォーター』『ノマドランド』『ザ・メニュー』『哀れなるものたち』ほか1100本以上。
著書に「映画は予告篇が面白い」(光文社刊)がある。 WOWOWプラス審議委員、 予告編上映カフェ「 Café WASUGAZEN」も運営もしている。
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