Jan 21, 2022 interview

撮影現場でも宣伝を意識する 二宮健監督が語る『真夜中乙女戦争』と予告編

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共通言語を持つ異色のスタッフ

池ノ辺 この映画では、従来の商業映画とは違う試みもやっているんですよね?

二宮 全く映画の畑じゃないところからカメラマンを連れてきました。本当に初めて映画の現場にやってきたようなカメラマンなんです。

池ノ辺 撮影の堤裕介さんのことですよね? この方とはどういう関係なんですか?

二宮 友人です。

池ノ辺 お友だちをカメラマンに?

二宮 映画を撮ったこともないですし、趣味でカメラを回してる音楽家なんですよ。彼をこの映画のカメラマンにさせていただいたことが、この映画が自分の求めるものに大きく近づいた理由だと認識しています。

池ノ辺 すごい ! 映像素晴らしかったです。堤さんは、この映画で、撮影・音楽でクレジットされていますが、映画を初めて撮ったと思えないぐらい堂々たる映像でした。

二宮 彼の中に、おそらく映画の文体が入ってるんです。映画音楽家としてはプロでやっていて、本人もずっと映画を観ていたので。

池ノ辺 それで「俺が撮ってやるよ」みたいな話になったんですか?

二宮 いや、趣味で撮っていればそれでいいんだって思ってた人を、無理やり「君が必要なんだ」と言って、映画の現場に引きずり出したんです。

池ノ辺 照明のライティングも素晴らしいし、映像の質感に圧倒されました。

二宮 照明も映画が初めての人なんですよ。これまでずっとCMとかミュージックビデオで頑張ってた大学の同級生で、卒業制作を一緒にやってたんです。いつか映画で合流したいと思っていて、それが今だと思って呼んだんです。

池ノ辺 映画専門のスタッフに限定せずに、監督がいつか一緒にやろうとしていたスタッフと一緒にやったんですね。現場はどうでしたか?

二宮 何を良いと思って、何が良くないと思っているかを、ちゃんと近い距離で共通言語を持てる人たちと作ることの強さを感じましたね。