Oct 17, 2020 interview

ニコール・キッドマンが迫真の名演、ネオ・ノワールの衝撃作『ストレイ・ドッグ』を鬼才カリン・クサマ監督がオンライン インタビューで語る

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良い親であることが、良い映画監督になる

池ノ辺 カリン・クサマ監督は、デビュー作の『ガールファイト』から20年にわたって、味わい深いドラマから、SFアクション、ホラーなど、いろんなジャンルの映画を撮ってこられました。ご家族は?

カリン この映画の脚本家と結婚しています。

池ノ辺 あら、この映画の脚本はフィル・ヘイさんと、 マット・マンフレディさんが長い間、温めていた企画だそうですが、ということは……?

カリン フィル・ヘイと結婚しています。13歳の息子がいます。

池ノ辺 息子さんがいらっしゃるのね。仕事に没頭しているときと、プライベートに戻る時の切り替えはどうしていますか?

カリン 監督であることは、母親であることに似ていると思います。多くの人の面倒を見て、導いていかなければならない。それに、みんなのことをよく知っていなければならないしね。だから、監督であることと、親であることはとても似ていると思う。良い親であることが、良い監督だと思います。

池ノ辺 それは素晴らしいですね。でも、『ストレイ・ドッグ』のような緊迫感のある映画を撮っていると、気持ちが張り詰めた状態を家に持ち帰ることにもなりませんか?

カリン そうなりますね。どうしても緊張感を家に持って帰ってしまう。だから、撮影中は毎晩お風呂に入ることをルールにしていました。その日の仕事のエネルギーを全部洗い流したいの。儀式みたいなものとして、そうやっていましたね。

池ノ辺 それは映画監督に限らず、どの仕事の人にも応用できそうですね。ところで、息子さんは映画監督という仕事をどう思っていますか?

カリン 彼は、私が一生懸命仕事をしていると感じてくれていると思う。ロケがあるから時々家から離れていたりもするけれど、彼は私の仕事をとても尊重してくれていると思うし、好奇心をもって話を聞いています。

池ノ辺 じゃあ、将来は映画監督になりそうですか?

カリン 彼はなりたくないんじゃないかな?(笑)

池ノ辺 親を見ていると大変なのが分かるものね(笑)。