Apr 11, 2017 interview

第7回:『3月のライオン』は究極を目指した。心が弾む日本映画を見ると、この人と仕事をしたいという欲望が湧き上がってくる。

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谷島

配信には配信なりの個性がどこかにあると思うんですね。

それを見つけて、追求していきたいなぁという気はするんですよ。

池ノ辺

配信用の宣伝がすごく面白いのは、終わりがないんですよね。

始まってみるとターゲット以外の人がよく見ているデータが出ると、またそこに向けて宣伝していく。

グローバルな世界。

面白いね。

谷島

簡単に国境も越えることができる。

そこも前からやりたかったことの一つで、かつて『鉄男 THE BULLET MAN』を作った意図の一つは、日本映画だけど、英語映画を作るということへの挑戦でした。

なぜならアメリカでは、GODZILLAAKIRATETSUOなんです。

新たにアメリカに上陸させるんだという野望を塚本(晋也)さんと抱いて、日本映画なのに登場人物全員に英語でしゃべらせた。

国境を越えるにはどうしたらいいかというのがこの時のテーマだったんですよね。

それを配信は、プラットホームの力により、一瞬で実現させることが可能。

ただ、そこでどんな個性を発揮したら良いか?何に挑戦し向かっていくのかが、個人的にはまだ見えない

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池ノ辺

いやぁ、次の面白さが見えてきたじゃないですか。

ワクワクするな、その話。

谷島

どうしても、いまだかつてないことをやりたいという欲望があるので、配信という世界で何ができるか、もうちょっと研究しないとダメだね。

池ノ辺

アスミック・エースの株主ってJ:COMさんですよね?

谷島

そうです。

池ノ辺

だったら色々できるじゃないですか?

谷島

そうなんです。

J:COMはオンデマンドもあるので、そこで今年、突貫で作ったのが『愛のむきだし【最長版 ザ・テレビショー】』。

園子温監督の力作映画、4時間の大作だったものを、編集で捨てた1時間を復活させ、30分のテレビドラマ・シリーズに再構成し、全10話で配信しているんです。

映画をテレビに変換する、ワンコンテンツ・マルチユース。

コッポラとベルトルッチはかつてやったけど、日本映画では初めてです。

池ノ辺

谷島さんのお話を聞いていると、やりたい事をやってきているじゃないですか。

よく周りが許してくれましたよね。

だって自分でお金を出しているわけじゃないでしょ。

みんなが賛同して形になっているってすごいですよね。