全世界シリーズ累計販売部数7,000万部超の伝説的コミック「鋼の錬金術師」。錬金術が存在する架空の世界を舞台に、エドとアルの兄弟が大切なものを取り戻すため試練に立ち向かう姿に多くの人々が心を動かされ、現在までにテレビアニメやアニメ映画、ゲームソフト化もされている作品がついに実写化! 本作でホムンクルス(人造人間)のエンヴィーを演じている本郷奏多さんはそのビジュアルが発表されるや否やイメージにぴったりとの呼び声の高いキャラクター。そんな本郷さんにハガレンへの思い入れ、エンヴィーに対する感情の変化などについてのお話を伺いました。
<ハガレン6連続インタビュー企画>
第2回/エンヴィー役 本郷奏多インタビュー
──本郷さんはもともと「鋼の錬金術師」ファンなんですよね。一番最初に作品に触れたのはいつのことですか?
高校生のときに友達から“これ面白いよ”と勧められてコミックスを借りて読んだのが最初です。当時はまだ完結はしていなかったけど、たしかその時点で既に20後半くらいの巻数が出ていたので、そこからは自分でもコミックスを買うようになったという流れですね。
──どんな部分に惹かれたのか覚えていらっしゃいます?
最初は少年誌に連載している作品ということもあり、よくあるバトルマンガなのかなと思って読んでみたらテーマとしているところはすごく重かったり深かったりして。人間ドラマをベースに、読者の倫理観に訴えて来るような部分もあり、大人も楽しめる作品なんだな、と。今まで読んできたマンガから得た体験とはまた違うものを受け取ることが出来たような気がしました。
──今作で本郷さんが演じているのが主人公のエド&アル兄弟と敵対するホムンクルスのエンヴィーですが、オファーを受けた際はどんなことを思われましたか?
自分で言うのも変ですけど、本郷奏多にオファーが来そうな役だな、と思いました(笑)。人間以外の役で、その上性別も無いという難しい役柄ですけど、原作を読んでいると小憎たらしくて、そんなに強くなくて、かませ犬っぽい役回りな部分があるので、お話をいただいて妙に納得した部分がありました。
──原作ファンの間ではエンヴィーは人気キャラなんですよね。ビジュアル的な部分でも本郷さんのエンヴィーはかなり原作に近いと前評判も高くて。
ビジュアルをどういう方向に持っていくのかというのは監督を始め、スタッフさん達がとても力を入れてらっしゃったので、そういう意見をいただけるのは光栄なことです。エンヴィーの髪型はウィッグを0から作っているのですが、毛質一つ取ってみても人間っぽい方が良いのか、人工的な方が良いのか、CGや特殊メイクで毛束感を出すのか、など細部まで皆さんと話し合いながら作っていって。最終的には毛束感を出しつつ、あくまで人間の髪の毛の延長にある、というようなバランスに落ち着いた感じです。
──実際にウィッグを付けて衣装を着てエンヴィーになった姿をご覧になってみていかがでしたか?
現実には絶対に存在しないキャラクターなので、やっぱり鏡の前で冷静な目で見ると大丈夫かな、とどうしても不安になった部分もありました。でも僕以外の皆さんも振り切ったビジュアルを作っていらっしゃいましたし、あれだけ作り込んだハガレンの世界に入り込むにはこのくらいやるべきなんだろう、と。実際に完成した作品を観たときにも、しっかりとあの世界観の中で生きていたように見えたので少しだけ安心しました。基本的にラスト(松雪泰子)とグラトニー(内山信二)と一緒にいることが多かったのですが、お2人と一緒にいるだけでホムンクルス感が増してくると感じるくらい完璧なラストとグラトニーだったので、とても助けていただきました。