古谷徹が一番好きなガンダムヒロイン、そして一番嫌いなガンダムヒロイン
- 古川:
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『機動戦士ガンダム』の後も、徹ちゃんはずっとアムロを演じ続けるわけだけど、まず、久しぶりにアムロを演じることになった『機動戦士Zガンダム』(1985年)では、どんなふうに感じた?
- 古谷:
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実は『機動戦士Zガンダム』は全然、消化できなかったんです。だって、カッコ悪いんだもん、アムロ。
- 平野:
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自分の演じるキャラがカッコ悪いのは我慢ならないのね。
- 古川:
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主役でもなくなっちゃったしね。
- 古谷:
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一応、モビルスーツにも乗って、主人公のカミーユを助けるシーンなんかもあるんだけど、結局最後まで不消化でしたね。しかも、アムロが恋仲になるベルトーチカって女が、僕が一番苦手なタイプなんですよ。ちょっと厚かましい女の子でね……これは、好きになれない、無理って(笑)。
- 古川:
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ハッキリしてるなぁ……。
- 古谷:
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でも、それから20年後に公開された映画『機動戦士Ζガンダム A New Translation』三部作(2005年~2006年)では、ちゃんと彼女を好きになろうって、ベルトーチカ役の川村万梨阿さんに「彼女を好きになりたいから、収録前にハグさせてくれない?」とお願いしました(笑)。それで自分では納得できる演技ができた。
- 古川:
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……それで、その後、川村さんとは何もなかったのかね?
- 古谷:
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何もないですよ!(笑)
- 平野:
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『機動戦士Ζガンダム』の後に公開された映画『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』では、また主役に返り咲くわよね。そっちはもう、最初から満足いく演技ができた? ヒロインは好きになれた?
- 古谷:
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『逆襲のシャア』のヒロインは、チェーンっていう娘なんだけど、彼女は完璧に僕のタイプだったから大丈夫(笑)。戦闘の前にアムロの部屋の前で膝抱えて待っているような、けなげな女の子だからね……ハグしなくても大好きだったよ。アムロも大人でかっこよくてね。だから僕は、ガンダムシリーズでは『逆襲のシャア』が一番気に入ってます。
- 古川:
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逆に子供時代のアムロを演じることになった『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』(2015年~2018年)はどうだった?
- 古谷:
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まさか8歳のアムロ(『機動戦士ガンダム THE ORIGIN IV 運命の前夜』)をやると思わなかったよね(笑)。……というか、やっちゃいけないと思った。だから、オーディションをやってもらうようお願いして……。絶対に、女性の声優にやっていただいた方がかわいくなると思ったんです。結局は、安彦良和総監督のご指名ということでやらざるを得なくなったんだけど、かわいくはならなかったなあ。ファンの人はよろこんでくれたみたいだけどね。
- 平野:
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その後、最後まで違和感が残った?
- 古谷:
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いや、13歳以降になってからは(『機動戦士ガンダム THE ORIGIN V 激突 ルウム会戦』以降)、ちゃんとできる自信があったから大丈夫。5月5日にイベント上映される最新作『機動戦士ガンダム THE ORIGIN 誕生 赤い彗星』ではさらに出番が増えているのでご期待ください。
- 古川:
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僕も出てるよ!