Dec 21, 2017 interview

松岡茉優インタビュー「生きづらさを痛感している全ての人に響くように、演じました」

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史上最年少となる19歳で「蹴りたい背中」が芥川龍之介賞を受賞した綿矢りささんが2010年に発表した小説「勝手にふるえてろ」が映画化。ひねくれ気味で不器用で夢見がちなヒロインのOLヨシカを演じるのは、本作が映画初主演となる松岡茉優さん。そんな松岡さんが、妄想好きなヨシカを通して感じたことや綿矢さんとの対談エピソード、更に自身の経験なども振り返りながら本作について語ってくださいました。

 

ヨシカのようにプラスの妄想では生き続けることができない

 

──映画初主演となる今作ですが、最初に原作を読んだ感想からお聞かせ頂けますか。

もともと綿矢さんの作品の世界観が好きだったのでよく読んではいたのですが、「勝手にふるえてろ」は未読だったので映画化の話を聞いてから拝読しました。ヨシカという女の子の内情をメインに物語が進んでいくなかで、笑える場面やスカッとする場面、時にはウルっとくるところもあって、更に女子のグツグツとした感情が詰まっていて面白い作品だなと感じました。そんな素敵な作品を、今まで2度ご一緒している大九明子監督と作ることができると思った瞬間にワクワクしたのを覚えています。

──少し変わったヒロインのヨシカを松岡さんは魅力的に演じられていました。演じるうえで気をつけたことはありましたか?

脳内では散々片想いしていたり…というか、脳内では両思いなんですけど(笑)、オタクっぽいところもあったり家では毒づいたりするヨシカですが、会社ではバリバリ働いて時には頼りにされながら社会で生きるために頑張っているんですよね。そんな彼女が好きですし、端から見たら孤独ではなさそうなのに彼女自身は孤独を感じながら日々奮闘しているところも応援したくなります。ヨシカのような“様々なことに揉まれて生きづらさを痛感している全ての人に響くように”という思いで演じさせて頂きました。

 

 

──松岡さんもヨシカのように妄想することはありますか?

中学生の頃、好きなアニメのキャラクターが隣の席に座っている妄想をして“この次は体育か〜”“そうだね〜”と心の中で会話をしてましたし、なんならその人とは結婚までしました(笑)。なのでヨシカが脳内の彼氏を崇拝してしまう気持ちがよくわかるんです。きっと誰でも思春期に一度はそういう妄想をしてると思うんですよね。アニメのキャラや芸能人、そしてヨシカのように実在する人物、そういった存在は今でも胸の中でキラキラ輝いていて、それが心のよりどころになっている人もいるのではないかと。多くの人がヨシカにとってのイチのような存在を一人は持っていたんじゃないかなと思います。

──ヨシカはイチを脳内に召喚したりしてますよね。そんな風に松岡さんも“こんなことがあったらいいのにな”と思うような楽しい妄想をすることはありますか?

妄想って自分にとってプラスなことやポジティブなことを考える人が多いと思うんですけど、私は思春期を超えてからはプラスの妄想をするのをやめたんです…。というより、むしろマイナスの妄想や想像、最悪のシナリオを考えながら生きるようになりました。

 

 

──何かきっかけがあったのでしょうか?

中学生の頃から本格的に今のお仕事をさせて頂くようになったんですけど、プラスのほうばかり考えて現場に行くと誰かに迷惑をかけてしまうことに気づいたんです。それならば自分がやりそうな失敗を先に考えておいて、その失敗を回避するために行動したほうが生きやすいなと思って。あと、できると思っていたことができないとパニックになってしまう性格なので、なるべく悪いほうに考えておいたほうが自分のためにもなるんです。ヨシカのようにプラスの妄想で生き続けることができないので、そこは彼女と私の大きく違う点かなと、演じながらも感じていました。

──確かに良いことばかり考えていてもそれが実現しなかった場合にダメージが大きいですよね。

そうなんです! マイナスなほうに考えていると物事がうまくいった時により嬉しく感じられるので、マイナスな妄想や想像も決して悪いことではないのかなと思います。

 

 

現実の“イチ”と“ニ”なら“ニ”を選びます

 

──イチに関しても伺いたいのですが、彼のマンションでの一言は衝撃的でしたが、アンモナイトの話ができるという点では二人はあそこから友達として始められたのではないかと思ってしまいました。

でも、ヨシカにとって脳内のイチは完全に恋人レベルで、10年間ずっとそれを生き甲斐に踏ん張ってきたと思うんです。そんな脳内彼氏があんな発言をするなんて耐えられないですよね。私もヨシカと同じ立場だったら逃げ出します(笑)。

 

 

──ゼロから関係性をスタートさせることはヨシカには無理だったということですよね。

ゼロから始められるような子だったら10年も脳内で片想いしてないんじゃないかなと思います。あそこで次の一歩を踏める性格ならリアルに彼氏も作れたでしょうし、ヨシカにとってあのシーンはライフポイントがゼロになってしまうぐらいショックだったのではないでしょうか。

──ちなみに松岡さんご自身は、クールで天然なイチとアタックの激しいニのどちらを選びますか?

脳内のイチと現実のニなら、脳内のイチを選びますけど、現実のイチとニならニを選びます。どうしてかと言うと、ヨシカに対するイチの言動以外はあまり劇中で描かれていないので、消去法でいくと内情が描かれているニを選ばざるを得ないというか(笑)。

 

 

──ニを選んでくださって安心しました。イチは学生時代に周りにチヤホヤされたことをいじめられたと感じてしまうような繊細な男の子なので、側に寄り添って心のケアをしていくのは大変そうだなと思いながら見てしまって(笑)。

なるほど(笑)。その意見は初めて聞きました。

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