Nov 02, 2023 interview

窪塚洋介インタビュー 未来を憂いていた念みたいなものが手塚治虫先生の作品にはある『火の鳥 エデンの花』

A A
SHARE

―― 卍LINEなどアーティスト活動もされていますよね。

そうですね。でも、音楽活動は5年前から止まっています。それまで10年やったんだけどね。今は役者ばかりやっています。でも、やるとかやらないとか、決めてはいないです。辞めたくなったら辞めればいいと思っています。流れに任せる感じです。でもこれを言うと、昔からよくおふくろに怒られました(笑)。

―― でも大事ですよね。肩に力を入れ過ぎるのも良くないですし。

窪塚:結構、なんでも考えすぎたり思い詰めてしまって、しんどそうな若い子も多いから‥‥。型にはめられて、皆が望む彼、彼女でないといけないみたいな感じで、だけどそうやっていると、結局、自分が壊れてしまう。それでは本末転倒だから。決めすぎちゃいけない。そう思います。

―― 最後に、窪塚洋介さんの憧れている生き方を教えて下さい。

自分らしく生きている人!
職人さんでも、何の仕事の人でも“自分らしく命を楽しんで生きている”と思える人はカッコ良く見えます。そういう生き方をする人への憧れみたいなものはずっと持っていたいと思っていますし、自分もそうありたいです。自分も人からそんな風に見えていたらいいですよね。自分が良いエフェクトを人からもらっているように、自分が周りに良いエフェクトを起こせていたら、良い明日になるかなと思っています。

いつだって等身大で、いつだって対等で、誰に対してもナチュラルな窪塚洋介さん。それは出会った頃から変わらずで、ありのままでいようとする生き方に多くの人が憧れ、尊敬しているのではと、勝手に思っています。今回の声優オファーに対しても、自分が出来る限りの能力を発揮する為に、原作を購入したその姿勢は、誰もが出来ることではないし、制作陣に対する誠意の証でもありました。ちなみにディズニープラスと劇場版のどちらも観た私としては、どちらも「アリ」な『火の鳥』でした!

取材・文 / 伊藤さとり
撮影 / 奥野和彦

作品情報
映画『火の鳥 エデンの花』

荒涼たる辺境惑星エデン17に1台のロケットが降り立った。わけあって地球から逃亡してきたロミと恋人のジョージは、この星を2人の新天地にしようと誓うも、未開の惑星での生活は厳しく、ジョージは井戸掘り中の事故で命を落としてしまい、ロミは一人息子のカインとAIロボットとともに、孤独なサバイバル生活に送ることに。ロミはカインのために自分の命を少しでも引き延ばすこと決意し、コールドスリープに入る。だが、機械の故障で1300年間も眠り続けることに。ようやく目覚めたロミは、新人類が築いた巨大な町・エデン17の女王となる。そんなある日、心優しい少年コムは、宮殿で悲しみに暮れる女王ロミと出会う。ロミの望郷の想いを知ったコムは、一緒に地球に行こうと、無謀な挑戦と知りながら、2人で広大な宇宙に飛び出していく。旅の途上で、地球人の宇宙飛行士・牧村や宇宙のよろず屋・ズダーバン、そして人智を超えた未知の生命体の数々との出会いを重ねながら、故郷の地球を目指す。

監督:西見祥示郎

アニメーション制作:STUDIO4℃ 

原作:手塚治虫「火の鳥」(望郷編)

出演:宮沢りえ、窪塚洋介、イッセー尾形、吉田帆乃華、浅沼晋太郎、木村良平

配給:ハピネットファントム・スタジオ
 
©Beyond C.

2023年11月3日(祝・金) 新宿バルト9他 全国ロードショー

公式サイト hinotori-eden

伊藤 さとり

映画パーソナリティ
年間500本以上は映画を見る映画コメンテーター。 映画舞台挨拶や記者会見のMCもハリウッドメジャーから日本映画まで幅広く担当。 自身が企画の映画番組、俳優や監督を招いての対談番組を多数持つ。 映画コメンテーターとしてCX「めざまし8」、TBSテレビ「ひるおび」での レギュラー映画解説をはじめ、TVやラジオ、WEB番組で映画紹介枠に解説 で呼ばれることも多々。 雑誌やWEBで映画評論、パンフレット寄稿、映画賞審査員、 女性監督にスポットを当てる映画賞の立ち上げもおこなっている。 著書「2分で距離を縮める魔法の話術」(ワニブックス)。 2022年12月16日には最新刊「映画のセリフでこころをチャージ 愛の告白100選」 (KADOKAWA)が発売 。
伊藤さとり公式HP: https://itosatori.net