Nov 02, 2023 interview

窪塚洋介インタビュー 未来を憂いていた念みたいなものが手塚治虫先生の作品にはある『火の鳥 エデンの花』

A A
SHARE

―― 『GO』(2001)で行定勲監督、『沈黙 -サイレンス- 』(2017)でマーティン・スコセッシ監督、『全員切腹』(2021)で豊田利晃監督、『スイート・マイホーム』(2023)で齊藤工監督など、他にも様々な監督さんとお仕事をされています。出演を決めるものはなんですか。

本(脚本)です。本を読んで、ワクワク出来るかどうかが基準です。「豊田監督の作品だから絶対に出演する」という訳ではないです(笑)でも、豊田監督とか、よく声をかけてくれる監督の本って、読むとワクワク出来るんです。

最近はありませんが、10年ぐらい前は月9でオファーをもらったり、20年くらい前には大河ドラマ主演のお話を頂いたりもしていました。でもワクワクする感覚が持てない要素とかもあったりして、お話をお断りをさせて頂いていたんです。

あの頃は、「大河の主役を断る奴はいない」とも言われましたね(笑)でも「同じ役を俺は、1年も演じられない。無理です」って言って断っちゃいました(笑)これまでちゃんと“自分を信じる”ということを大事にしてきました。その結果が今であって“これで良かったんだ”と思っています。

―― 窪塚さんは『金田一少年の事件簿』(1995)でデビューされて、芸能活動28年を迎えられましたね。

そうですね。1995年、16歳でデビューしましたから、2025年で芸能活動30周年です。

―― 私も同じ頃から仕事をしていますが、若かりし頃の自分を振り返っていかがですか。

 “バカだったな、調子乗っていたな”と思うこともありますけど、結果、今が凄く幸せで、満たされた状態でクリエーションが出来たり、こうやって色んなことをお話することが出来ているので、“全て必要な道だったんだ”と今は思っています。

―― 俳優という仕事を続けていくことは大変なことだと思います。気持ちが折れそうな時は、どうしていたのですか。

やっぱり、俳優という仕事が好きなんです。それが一番大事。あとは考え方次第ですね。仕事の内容的には、同じような日だと感じることはあるかもしれません。例えば今日は『火の鳥 エデンの花』の取材日、この間は『スイート・マイホーム』の取材日、取材といえども作品自体が違いますよね。

サーファーは「1本も同じ波はない」と言いますが、陸から見ていたら「同じ波じゃん」って正直、思ってしまいます(笑)。でもサーファーたちにとっては毎回違う波なんです。そういう気分で一日一日を生きているから、毎日、彼らは飽きることなく海に行く。僕の仕事もそれと同じことではないかなと思っていますよ。

―― 飽きっぽくはないんですね。

いや、めっちゃ飽きっぽい(笑)サッカーもソフトボールもバレーボールも水泳もなにもかも続かなかったです。続かないことの方が多かったですね。続けられているのは、あ、今やっているゴルフかな(笑)。