―― 演技はもちろんですが、人との繋がりでも「一緒にやりたい」と言われて、お仕事の幅が広がっているようにも思います。
ありがたいです。自分に自信がないので、そこまで言って下さることに“何でなんだろう”と不思議に思うことはあります。ドラマに舞台、それこそ大きい作品に呼んで頂いたりしているので、自分では声を掛けて下さる理由が、あんまりわかっていないんです。本当にありがたいことなんですが自己分析が出来ていない状態です。
―― 自分の考え方が明らかに変わった作品、現場は何ですか。
いっぱいあります。でも、どちらかと言えばミュージカルの方が多いので、きっかけは舞台が大きかったと思います。でも映像作品では、映画とかは特にそうですが、2年前に撮った作品がようやく実を結ぶというか、映画はドラマよりも実を結ぶまでの時間が長いので、その分、伝わった時の嬉しさは大きいです。ドラマはドラマで、撮ったばかりのものを見てもらうので、そういう意味ではある種、新鮮に視聴者さんからの声やリアクションが届きやすいです。毎回、色んな仕事で良い刺激を貰っているような気がしています。
僕は完全に運がいいタイプの人間なんです。その時、その時に自分に必要な方と一緒にお仕事をさせて頂いている。運(仕事運)は誰にも負けないと思っています(笑)。
―― 運を掴むといってもそれは人柄もあると思うんですが。
どうでしょうね。僕は飲みにも行かないですし、仕事への誠実さも人と比べたことがないのでわかりません。皆さんが評価して下さるので、それでいいと思っています。これだけは言えます、僕は出会う人との運が良い!毎回、ありがたいと思っています。
―― 舞台にドラマに映画にとお忙しいと思いますが、今の時点でどんな人間になりたいですか。
幸せだったら何でもいいです(笑)。自分が幸せだと感じられる瞬間が多ければ。映画の舞台挨拶をして、皆さんに拍手を頂くだけで幸せです。ミュージカルや舞台に立っている時は、カーテンコールで拍手をもらえるだけで幸せです。「今のいいお芝居だったよ」と言われたらそれだけで幸せです。そういう小さな幸せをどんどんと沢山感じていける人生であれば、こだわりはありませんし、満足です。
ミュージカル「ロミオ&ジュリエット」の東京公演が終わり、地方公演の合間に撮影したと言っていた黒羽麻璃央さん。それだけ忙しい中でもセリフはきっちり入るそう。ただ映像向けに演技をナチュラルにするのに監督にチェックしてもらっていたと言っていました。2022年は『野球部に花束を』『貞子DX』の舞台挨拶でご一緒していた黒羽さんは、いつも周囲を気にかけた楽しいトークで共演者に話をふる気遣いの達人。インタビュー中も周囲への感謝を忘れない姿勢に“愛される理由”を見つけたのでした。
取材・文 / 伊藤さとり
写真 / 奥野和彦
ヘアメイク / 泉脇崇(Lomalia)、スタイリスト / ホカリキュウ
出版社の編集部で働く園田修一は清川莉奈と出逢い、同棲生活をしている。修一は小説家になるという夢を抱いていたが、日々の仕事に追われ、諦めかけていた。莉奈は何をやっても上手くいかず、いくつもアルバイトをクビになり、家で独り過ごすことが多かった。ある日、修一は高校の先輩で大手出版社の編集者・相澤今日子と再会し、相澤の務める出版社の新人賞にエントリーする。一方、自身の出版社でも売れっ子コメンテーター西川洋一を担当することになるが、西川の編集担当に原稿をすべて書かせるやり方に戸惑う。修一は全く小説の執筆に時間がさけなくなり焦り始める。そんな中、莉奈はふとしたきっかけで西川の目に止まり、修一と共に出版社で働く事となる。西川も出版社の皆も莉奈をちやほやする光景に修一は嫉妬心が沸々と湧き、莉奈に対して態度が冷たくなっていく。いつしか、喧嘩が絶えなくなり・・・・。
監督:山口健人
企画・プロデュース:藤井道人
出演:黒羽麻璃央、穂志もえか、松井玲奈、安井順平、冨手麻妙、安藤聖、春海四方、山崎潤、長村航希、八木アリサ、飯島寛騎
配給:渋谷プロダクション
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