――素敵な関係ですね、風吹さん私も昔からとても好きな方です。ちなみに、北村匠海さんが演じられた【薫】の夫【北川晋一】も凄まじくて、演技に感嘆していました。本当に嫌な役でしたが。
北村さんと𠮷野監督がお話をされて【晋一】というキャラクターが出来たと思うんです。私とは何にも話し合いをせずに、お芝居を一緒にしたので、その時は怖かったです。

――それは怖いですよ。車の中も
そうですよね (笑)。あの車のシーンを北村さんとは最初に撮りました。なので【晋一】さんとのシーンは、順撮りのような感じで撮らせて頂きました。怖かったですし、【薫】さんの中にあるシャドウ(影)がどういったものなのか、というのが北村さん演じる【晋一】さんと対峙して一気に埋まったという感覚がありました。そこからずっと私が【薫】さんで居ることが出来たのは、【晋一】さんとのシーンを撮ったからな気がします。怖かったですね (笑)。
――【晋一】が登場する為に緊張しました。さて、奈緒さんが自分をリセットする為にしている方法があれば教えて下さい。
「水に流す」ことが最近は好きですね。お風呂の中で「今日、こうだったな」と独り言を呟くことがあるんです。私は水が好きで、川辺とかも好きで、水辺に居ることが好きなんです。流れているものを見るとドンドンと物事は変化していくから、ずっとここに立ち止ることは出来ないと自覚させられるんです。凄く身近な水で言うと、お風呂の湯船に浸かって何かを言った言葉があったとして、言葉を言った後にお風呂のお水を流す時にちょっと立ち止まって水が流れるのを見ながら“私の言った言葉もここで流れていくんだな”と思うんです。そうすると“今日も流れていく”という感覚になれるので、「水に流す」ということをリセット方法にしています。

俳優を夢見て、20歳で福岡から単身上京してきた奈緒さん。今や引っ張りだこの俳優として主演を務める作品も多数。そんな彼女は韓国が好きで最近、現地の映画館で見た映画というので薦めてくれたのがヨン・サンホ監督の『顔 -かお-』でした。これも本作同様ミステリー、そして俳優陣の演技力に惚れ惚れする作品。それを韓国語で見るという奈緒さんの学びを楽しむ姿に頭が下がる思いだったワタクシです。だから彼女の演技に毎回、惹きつけられてしまうんだな。
スタイリスト:竹下あゆみ / ヘアメイク:岡本純子

この〈おうち〉では、家事も始末も持ち回り。日常的に暴力を振るう夫から逃げてきた紀子。しかし居場所を突き止められ行き場を失ってしまう。絶望の中にいた紀子に、入院先の看護師・路子が救いの手を差し伸べる。連れて行かれたのは、三浦海岸の外れにひっそりと建つ施設。配偶者や親から暴力を受けた女性たちを匿うシェルターだ。彼女たちはその場所を〈おうち〉と呼び、そこでは食事や掃除、暮らしのすべてが「持ち回り」というルールで成り立っていた。穏やかで守られた日々を取り戻していく紀子だが、少しずつ違和感を覚え始める。そして遂に〈おうち〉の組織犯罪の構造を知ってしまう。一方、とある事件を追う刑事・薫が、〈おうち〉に近づこうとしていた。
監督・脚本:𠮷野竜平
原作:佐野広実『シャドウワーク』(講談社文庫)
出演:吉岡里帆、奈緒、美保純、酒井若菜、ファーストサマーウイカ、佐月絵美、北村匠海、原嘉孝(timelesz)、風吹ジュン
配給:ショウゲート
©佐野広実/講談社 ©2026「シャドウワーク」製作委員会
2026年9月25日(金) TOHOシネマズ日比谷ほか全国公開
公式サイト shadowwork-movie.jp
