――今回の役を演じるにあたってリサーチとかされたのですか。
一ノ瀬 いろんな方に話を聞きました。中でも面白かったのは、制作部に、小学校の教諭をやっていらっしゃった人が居たんです。その方は教師として働いている中、「私は何も社会を知らない。学校を卒業して次の学校に行って学び、そして学校に就職する。学校の中で完結していて、社会を見たことがない」と思って、教師を辞めて色々な仕事をされたあと、この映画のスタッフとして入られたんです。「色々な社会経験を積んでから、また学校の教師に戻ろうと思う」と話されていました。その方と話をしていたら「言葉ではどうしようも出来ない子どもたちは絶対に居て、その子達を教える時に【西】さんみたいな人が居てくれると助かる」と言ってくれたんです。“【西】みたいな人生を歩んで来たからこそ、教えられることもきっとあるんだろうな”ということはその話で思いました。リサーチというか、その方とは色々なお話をしました。
夏帆 私は友人に教師をやっている人が居るので、話を聞いてみたりしました。あと教育に関するドキュメンタリーを探して観たり、本を読んだり、最初にそうやって調べたりしました。それとドラマや映画で先生が登場する作品も観ました。実は教師を演じるのは、今回が初めてだったんです。だからちょっと怖いというか、ちゃんとできるかな?という不安もあって、現場に入る前に凄く緊張感がありました。

――リサーチした中で、どれが一番印象に残りましたか。
夏帆 色々、勉強になりましたが、それこそ今の教師の労働環境のドキュメンタリーは驚きました。しかも教育って本当に終わりがない、正解が見えないですし、かと言って業務が沢山あって、自分たちが思っている以上に重労働というか、今は色々と問題視されて、改善されてはいると思いますが。やっぱり大変な現場ですよね。
――この映画では、更生施設長【西】との出会いで変わった子ども達も出てきます。お二人はこれまでの人生で「この人の話を聞いて人生観とか考え方が変わった」という人は居ますか。
夏帆 よく転機になった出来事、作品、人は?と聞いて頂くんですが、私の場合は「この人のこの言葉で」というよりも、色々な人や作品との出会いの積み重なりで徐々に変化している気がします。




