10月6日に劇場公開された映画『アナログ』。二宮和也演じる水島悟が、喫茶店で出会い一目惚れしたのは、波瑠が演じる謎めいた女性みゆき。2人は意気投合し「毎週木曜日に、この場所で会いましょう」と約束を交わす。携帯電話で気軽に連絡が取れてしまう現代、あえて連絡先を交換せず、ゆっくりと関係を紡いでいく。いつの時代も変わらない、ただただ大切な人に会える喜びを描いたラブストーリーだ。
原作はビートたけしが70歳にして初めて書き下ろした恋愛小説。監督を務めたのは、二宮和也とビートたけし主演のスペシャルドラマ「赤メダカ」(TBS/2015年放送)で演出を務めたタカハタ秀太だ。
今回、悟とみゆきの恋愛模様をからかいながらも温かく見守る友人、高木役を演じた桐谷健太さん、山下役を演じた浜野謙太さんにインタビュー。取材場所に現れた2人は「久しぶり!」と声を掛け合い、映画本編そのまま、仲良く席に着いた。
普遍的な愛の原点を描く一方で、もうひとつ”アナログ”的な描かれ方をしているのが、変わらない友情関係。彼らは、どうやって関係性を作っていったのか?をうかがった。
撮影初日の長回し15分
ーーおふたりとも本当に仲良いですね。
桐谷 朝ドラで一緒になってからだから、付き合いは長いよね。
浜野 そうですね。「まんぷく」で一緒のシーンがあったのか覚えてないですけど、プライベートで蕎麦屋にも一緒に行きましたしね。
ーー今作『アナログ』でがっつり共演してのお互いの印象をいかがですか?
桐谷 ハマケンのライブには行ってたから、改めて印象が変わることはなかったですね。でも初日からいきなり、普通にやれば1分ぐらいのシーンを15分ぐらい長回しで、ずっとエチュードでしゃべるみたいなシーンだったんですよ。
ーー二宮さん演じる悟を交えた焼き鳥屋のシーンですよね。
桐谷 そうです。俺はハマケンを知ってたんで、やりやすかった。
浜野 ほんとですか?
桐谷 やりやすかった。しかも、たけしさんの原作やから”バカヤロウ!”みたいな感じで、突っ込んだり叩いたりするんですけど、初対面じゃないので、すごくやりやすかったですね。多分、初対面だったら、”こうやっていい?”みたいに遠慮してたと思う。それもハマケンの懐の深さがあったからですね。
浜野 おおお!
桐谷 これで怒る人だったら、ちゃう感じにしてる可能性はありました。
浜野 ”僕の演じる山下はそういう感じじゃないんですよね‥‥”みたいな(笑)。
桐谷 そうなるやん、でもそういう感じはなく演じられたのは、本当に感謝ですね。
浜野 僕は僕で”バカヤロウ!”って手が飛んできたとき、”気持ちいい!!”って思ってました(笑)。でも桐谷さんが先導して、話題を振りまいてくれたから、あのシーンが作られていった感じはありましたよ。やっぱりすごい頭が回転する人だなと思う。
桐谷 ロッケンロールのロールの方をね(笑)。
一同 (笑)。
浜野 ね、こうやって言葉がすぐ出てくるなーって(笑)。
桐谷 だから焼き鳥屋のシーンで、みんなが自分の役や関係性を作っていったみたいな感じはありましたね。
ーー悟、高木、山下が3人集まるシーンは大体エチュードだったんですか?
桐谷 最終的にはそうですね。
浜野 最初は台本どおりにやってたら、カットがかからなかったんですよ。それでも普通に僕らが話し続けてたら、監督が楽しくなっちゃって、そういう余談の部分をいっぱいやるようになっちゃったんです(笑)。
桐谷 出来上がりはすっきりした感じになってるんですけど、多分、全部繋げたらゴッドファーザー並になってる(笑)。
一同 ははは(笑)。