最後にもう少し。こういったアーカイブの課題を考えていると、つまりはその部分にこそ「今、映画館に足を運んでまで映画を見る理由」があるのだろう。すなわちわざわざ劇場に行く“価値”だ。いま僕らが見ている映画の状態を、確実な状態と条件で見ることが出来るのは今だけなのかもしれない。
最新作・話題作をすぐに見たい、大画面で見たい。劇場に足を運ぶ理由は様々だ。もちろん原理主義的な映画ファンであれば「映画は劇場で見るもの」と返してくる。だが、ナゼに劇場で見るものなのか?その理由も時代とともに変化してきている。
文 / 岡野勇(オタク放送作家)