May 02, 2022 column

第10回:ラスベガス発信_2022年、興行主の期待

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4月最終週にラスベガスで行われた「シネマコン」は、全米劇場所有者協会(National Association of Theater Owners)が各映画スタジオと提携し、新作映画のショーケースを行うことで有名。長いトンネルから抜けでたかのように、ようやく例年通りに行われたコンベンション会場では、映画興行界の今後に期待する話題で盛り上がった。

シネマークのCEOショーン・キャンベル氏は、ボックス・オフィス・プロのインタビューに対し、「興行業界はコロナ渦で最も打撃を受けた分野といってもいい。今年の再活動においては第一に、いまだに高波に襲われる可能性のある新型コロナ感染を防ぐために、いかに興行システムと予算を管理し、流動資産の換金能力の向上と、社員の健康、そして安全な営業体制などを構築する必要がある」とコメント。「第二に、映画館への観客導入に力をそそぎ、今年に入って順調になった新作映画のリリースをふまえ、映画館が安全に営業開始していることを観客に認知してもらうこと。第三に、家からの配信サービスではなく、劇場体験を向上させることなど、古い映画館でもシステムをアップデートして、劇場で鑑賞することの楽しさを募るサービスが重要だ」と語っていた。

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伝記映画ではない映画『エルヴィス』

ワーナーブラザーズのパネルには、映画『ムーラン・ルージュ』のバズ・ラーマン監督が招かれ、来月、カンヌでのプレミアを目前に豊富を語った。「この映画は伝記映画でなくスーパーヒーローの映画だ」と、若いエルヴィスがどのようにスーパースター(ヒーロー)となっていったのかをケネディ暗殺などの50〜70年代米史をふまえて描いている。ピンクのスーツで煌びやかにエルヴィスを演じるのは新星オースティン・バトラー。若きジョン・トラボルタを思い起こさせる雰囲気とこの映画のために、撮影の一年前から歌の特訓を受けたというだけあって、テンダーなエルヴィス調の歌唱力が予告編から期待できる。

エルヴィスの敏腕マネージャーであったトム・パーカー大佐を演じているのが、いい味をだしているトム・ハンクス。2020年の3月に最初のハリウッド・スターの新型コロナウィルス感染が報道されたのが『エルヴィス』のオーストラリア・セット。トム・ハンクス夫妻が感染して撮影が中断。2021年秋の公開を返上して、全米では6月劇場公開の予定で『ボヘミアン・ラプソディー』なみのヒットを目論んでいるようだ。

バズ・ラーマン監督はもともとボールルーム・ダンサーだったそうで、監督自身が1984年にシドニーの学生時代に仲間と制作した舞台を映画化したのが彼の映画監督デビューとなった『ダンシング・ヒーロー』。監督はその後、『ロミオ&ジュリエット』そして『ムーラン・ルージュ』を脚本/監督し、またたく間にハリウッドが注目する監督となっていった。『ムーラン・ルージュ』は2019年に舞台化され、ニューヨークのブロードウェイでミュージカルとして生まれ変わり、コロナ禍中、トニー賞も受賞している。『ムーラン・ルージュ』のように映画、さらには舞台で、もう一度観たいというリピーターのファンを産んだ監督の手腕はハリウッドの中でも稀。映画『エルヴィス』は興行主にとっても多いに期待できるラインナップに違いない。

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