Feb 05, 2022 column

世代を超えて愛される名作は、新世代へ受け継がれる『ゴーストバスターズ/アフターライフ』

A A
SHARE

おじいちゃんの人生のかけらを集めてる

『ゴーストバスターズ/アフターライフ』は、ゴーストバスターズのひとりであるイゴン・スペングラー博士の孫たちの物語だ。母と兄と3人で亡くなった祖父が残した田舎町の屋敷に引っ越してきた12歳のフィービー。あるとき彼女は祖父がゴーストバスターズだったことを知る。と同時に、封印されていたゴーストたちが姿を現し町を破壊し始めた。彼女は兄や友人たちを巻き込み、新ゴーストバスターズとして立ち上がる。

フィービー役に『Gifted/ギフテッド』(2017)で天才少女を演じ注目されたマッケナ・グレイス。兄のトレヴァー役に『ストレンジャー・シングス 未知の世界』(2016〜)で、メインキャラクターのひとりマイクとしてブレイクしたフィン・ウルフハードと、両名、イゴンと同じくせ毛頭で本作に出演。彼らの出演作を知ってる観客なら、無駄な説明がなくても、この配役だけで妙に納得してしまう。

キャスティングといえば、彼らのお母さんであるカリーが『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』でサノスの手下を演じたキャリー・クーンで、彼女に一目惚れする、学者崩れのグルーバーソン先生に『アントマン』でおなじみポール・ラッドってのもなんかいい。もっといえば、マッケナ・グレイスはキャプテン・マーベルの少女時代役としても出演していたり‥‥。このグルーバーソン先生は”ゴーストバスターズ・リアル世代”として、子どもたちに当時を伝えてくれる、観客の代弁者となるキーマンだ。フィービーが屋敷の地下室で見つけた奇妙な機械を教えてくれるのも彼。

見つけたのは、霊的エネルギーを完治する装置「P.K.Eメーター」に、捕獲装置の「ゴーストトラップ」。そして、プラズマ波を照射しゴーストを攻撃、捕獲する携帯型核粒子加速装置「プロトンパック」。そう、おなじみのゴースト退治グッズも登場する。そして忘れちゃいけないのが、ゴーストバスターズが乗る車「Ecto-1」。1959年式キャデラック・エルドラドで、ミラー・メテオ社が改造した霊柩車というシャレの効いたイカしたアメ車も大活躍する。60年落ちの旧車を孫が直して乗るという行為も、なんかいい。

また、そのガジェットの使い方がいい。80年代当時、『スター・ウォーズ』旧三部作を手掛けたリチャード・エドランドが特殊効果を担当した、あのビーム感の再現。予告やパンフレットのメインになっている「Ecto-1」のポンコツな疾走感。最新AI技術をもとにしたCGを駆使した超絶バトルでもなく、ただ子どもたちが改造キャデラックに乗って爆走するだけなんだけど、昔のように手をグッと握って、主人公たちをガンバレ!って応援したくなってしまう。まさに『グーニーズ』のような80年代アドベンチャー映画のそれだ。