『ドライブ・マイ・カー』の濱口竜介監督とともに河瀨直美、北野武、是枝裕和、黒沢清に次ぐ映画監督として海外から高い評価を得ている深田晃司監督。最新にして9本目の長編映画『LOVE LIFE』はミュージシャン・矢野顕子の1991年にニューヨーク移住後に発表した初のアルバム「LOVE LIFE」に収録された同名楽曲をモチーフに、「愛」と「人生」に向き合う夫婦の物語を構想期間18年の時を経て完成させた作品。なお、本作は「メ~テレ60周年記念作品」として位置づけられている。
愛する夫と愛する息子、幸せな人生を手にしたはずの主人公・妙子に、ある日突然降りかかる悲しい出来事、そこから明らかになる本当の気持ち、彼女が選ぶ人生が描かれる本作。主人公妙子を演じるのは木村文乃。嵐の前の静けさが孕む寧静な佇まいと爆発しそうな激情を、全身全霊で表現。妙子の夫、二郎役には永山絢斗。妙子の元夫、パクを演じるのは、ろう者の俳優・手話表現モデルとしても活躍する砂田アトム。そのほか、山崎紘菜、神野三鈴、田口トモロヲが脇を固める。
この度、第79回ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門に正式出品決定。あわせて、予告映像&新ポスタービジュアルが公開された。
ヴェネチア国際映画祭は、世界最古の映画祭として知られ、ベルリン国際映画祭、カンヌ国際映画祭と並び、世界三大映画祭の一つとして知られている。これまで『歓待』がプチョン国際映画祭最優秀アジア映画賞受賞、『ほとりの朔子』でナント三大大陸映画祭グランプリ&若い審査員賞をW受賞、『淵に立つ』で第69回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門審査委員賞受賞、『本気のしるし』でカンヌ国際映画祭「Official Selection 2020」に選出されるなど、数々の海外映画祭に自作が出品されてきた深田監督にとって、ヴェネチアは初めての映画祭となる。
コンペティション部門には金獅子賞(最優秀作品賞)、銀獅子賞(最優秀監督賞/審査員大賞)、審査員特別賞、最優秀男優賞&女優賞、マルチェロ・マストロヤンニ賞(最優秀新人俳優賞)、最優秀脚本賞などがあり、第79回を迎える今年はイタリア現地時間の8月31日から9月10日まで行われる。現地には、深田監督、主演の木村も参加し、受賞結果は9月10日に発表予定。最高賞の金獅子賞の受賞となれば、1997年の北野武監督の『HANA-BI』以来25年ぶりとなる。
【コメント】
■木村文乃
まだ実感がなく気後れしていますが、沢山の方に祝福される作品の一部になれたことはとても光栄に感じております。深田監督との出会い、そして深田組のみなさん、共演のみなさんとの撮影は私にとって転機になる大切な時間でした。この機会により沢山の方々に見て頂けたら幸せです。
■深田晃司監督
大変歴史ある映画祭に「『LOVE LIFE』を上映したい」と望んで頂けたことは、驚きとともに、俳優・スタッフの総合力をご評価頂けたことに他ならず、とても誇らしく思います。そして、リド島に矢野顕子さんの歌声が響く! 今から楽しみで仕方ありません。
妙子が暮らす部屋からは、集合住宅の中央にある広場が一望できる。向かいの棟には、再婚した夫・二郎の両親が住んでいる。小さな問題を抱えつつも、愛する夫と愛する息子・敬太とのかけがえのない幸せな日々。しかし、結婚して1年が経とうとするある日、夫婦を悲しい出来事が襲う。哀しみに打ち沈む妙子の前に一人の男が現れる。失踪した前の夫であり敬太の父親でもあるパクだった。再会を機に、ろう者であるパクの身の周りの世話をするようになる妙子。一方、二郎は以前付き合っていた山崎と会っていた。哀しみの先で、妙子はどんな「愛」を選択するのか、どんな「人生」を選択するのか‥‥。
監督・脚本:深田晃司
出演:木村文乃、永山絢斗、砂田アトム、山崎紘菜、神野三鈴、田口トモロヲ
配給:エレファントハウス
©2022映画「LOVE LIFE」製作委員会&COMME DES CINEMAS
2022年9月9日(金) TOHOシネマズシャンテほか全国公開
公式サイト lovelife-movie.com