幾度途切れても必ず繋がってゆく親子の絆を描く、重松 清による不朽の名作小説「とんび」。今この時代にこそ届けたいと、初映画化が実現した映画『とんび』は、古き良き時代の物語にとどまらない、新たな時代への希望を予感させる、今、そして未来へ繋がる家族の絆の物語。
主人公の、破天荒ながら愛すべき父・ヤス役には、『テルマエ・ロマエ』「下町ロケット」などの大ヒット作で、圧巻の表現力と存在感を放つ阿部 寛。ヤスの息子・アキラ役には、若手実力派の中でも突出した才能を発揮する『君の膵臓をたべたい』『東京リベンジャーズ』の北村匠海。さらに、多くの深遠な物語をエンターテイメントとして昇華させてきた監督・瀬々敬久の元に、薬師丸ひろ子、杏、安田 顕、大島優子、麻生久美子、他豪華キャストが集結。
北村匠海が本編映像に合わせて『とんび』の魅力をナビゲートする公開記念特番映像が公開された。
本作のオファーを受けた北村は、「人は誰しもが自分を産んでくれた親という存在がいて、自分もまた親になって‥‥そうやってバトンが渡されていく尊さを感じました。作品のメッセージと登場人物の生き方がリンクしている作品に、僕は初めて出会いました。」、「親と子というものは絶対に切り離せなくて、無償の愛というものは存在すると改めて感じた作品ですね。」と語る。自身が演じたアキラについて、「とてもピュアで真っ直ぐな役柄だったので、難しいことを考えずに演じました。とにかく(父親役の)阿部さんの懐に、アキラと同じように飛び込んでぶつかっていく。そういう所を意識していました。」と、皆がその成長を見守りたくなる、愛すべき息子・アキラが生まれた秘話を明かした。
さらに初共演となる阿部寛について、「子どもの頃から色々な作品を観てきましたが、実際にお会いするととてもチャーミングな方でした。芝居の中での言葉ひとつひとつが重く、父親としての阿部さんの思いを、肌で感じることができました。」と、阿部と北村は役を超えた親子の強い絆で結ばれ、撮影に望んだという。そして、「中々人に会えず、色々なことに縛られている今の時代ですが、この作品の持つ暖かい愛情が、縮こまった心を解してくれると思います。」と、本作に込めた熱く暖かな思いを零した。
映画『とんび』は4月8日(金)より全国公開。
昭和37年、瀬戸内海に面した備後市。運送業者で働くヤスは、今日も元気にオート三輪を暴走させていた。愛妻・美佐子の妊娠に嬉しさを隠せず、姉貴分のたえ子や幼馴染の照雲に茶化される日々。幼い頃に両親と離別したヤスにとって家庭を築けるということはこの上ない幸せだった。遂に息子・アキラが誕生し「とんびが鷹を生んだ」と皆口々に騒ぎ立てた。しかしようやく手に入れた幸せは、妻の事故死で無残にも打ち砕かれてしまう。こうして、父子二人きりの生活が始まる。母の死を理解できないアキラに、自分を責めるヤス。和尚の海雲は、アキラに皆が母親代わりなってやると説き、雪が降っても黙って呑み込む広い海のようにアキラに悲しみを降り積もらすな「お前は海になれ」と、ヤスに叱咤激励するのであった。親の愛を知らずして父になったヤスは、仲間達に助けられながら、我が子の幸せだけを願い、不器用にも愛し育て続けた。そんなある日、誰も語ろうとしない母の死の真相を知りたがるアキラに、ヤスは大きな嘘をついた。
監督:瀬々敬久
原作:重松 清「とんび」(角川文庫刊)
出演:阿部寛、北村匠海、杏、安田 顕、大島優子、麿赤兒、麻生久美子、薬師丸ひろ子
配給:KADOKAWA イオンエンターテイメント
©2022『とんび』 製作委員会
2022年4月8日(金) 全国公開