アンディ・ウォーホルのミューズとして、またヴェルヴェット・アンダーグラウンドの歌姫として名を馳せたニコ。彼女の最期の2年間にフォーカスした音楽伝記映画『残響のメロディ 魂の放浪者ニコ、最後の旅路』が、彼女の命日前日の2026年7月17日(金)より公開される。
1986年、英マンチェスターで孤独に暮らすニコは、過去の名声から距離を置き、ヨーロッパ各地を巡るツアーに出るが、その旅は薬物依存や不安定な精神、周囲との軋轢といった問題と向き合う過酷なものだった。ステージ上の姿と私生活の葛藤を交錯させながら、「ニコ」という偶像から脱却し、ひとりの女性=クリスタ(本名)として生き直そうとする彼女の姿をリアルに描く。アラン・ドロンとの間に生まれた息子アリとの関係や、東欧でのアンダーグラウンド公演などを通して、ニコの音楽性と人生が再び始動していく過程が静かに浮かび上がる。

ポップアートの旗手アンディ・ウォーホルのミューズとして60年代に一世を風靡し、アンディ・ウォーホルのバナナのジャケットが有名で、日本プレス盤LPが8月26日にリリースされるアルバム『ヴェルヴェット・アンダーグラウンド・アンド・ニコ』の歌姫として知られるドイツ人のニコ。本作は彼女の華やかな栄光の時代ではなく、1988年に彼女が49歳で亡くなる直前の2年間に焦点をあてた異色の音楽伝記ドラマ。
監督は、『キアラ』がベネチア国際映画祭でリッツァーニ賞、ソッリーゾ・ディベルソ賞、SIGNIS賞、『ミス・マルクス』で同FEDIC賞などを受賞したイタリア人女性監督のスザンナ・ニッキャレッリ。

主演のトリーヌ・ディルホムは、アカデミー賞外国語映画賞受賞作『未来を生きる君たちへ』他でデンマーク映画批評家協会が主催するボディル賞で最多受賞女優の称号を誇る、国民的俳優。2014年には、ミシェル・ゴンドリー、グレタ・ガーウィグ、トニー・レオン、クリストフ・ヴァルツらとベルリン国際映画祭の審査員を務めるなど、国際的にも評価されている。本作では自ら歌唱も担当。神話化されたロックスターではなく、怒りや弱さを抱えた等身大の人間としてのニコを体現する。
新しいマネージャー・リチャード役で『グレゴリーズ・ガール』主演のジョン・ゴードン・シンクレア、ヴァイオリニスト・シルヴィア役で、2007年のカンヌ国際映画祭パルムドール受賞作『4ヶ月、3週と2日』でパームスプリングス国際映画祭などで主演女優賞を受賞したアナマリア・マリンカが出演。


華やかな伝説の裏側にある孤独と再生を描いた本作は音楽映画であると同時に、ひとりの女性の晩年を描く人間ドラマとして世界各国で高評価を獲得。ヴェネチア国際映画祭オリゾンティ部門の最優秀作品賞をはじめ、伊アカデミー賞が主催するダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞の脚本賞、サウンド賞、メイクアップ賞などを受賞している。
本作は、1980年代後半の空気感を演出するために1:1のスクエアフォーマットを採用。ジョナス・メカス監督に1960年代のニコやアンディ・ウォーホルなどの実際の映像素材を借りて編集したフラッシュバック映像も必見と言える。
映画『残響のメロディ 魂の放浪者ニコ、最後の旅路』は、2026年7月17日(金)より全国順次公開。

1986年、イギリス・マンチェスターで暮らす40代後半のニコは、ドアーズのジム・モリソンの勧めで自分の音楽を始めた時から自分の人生が始まったと感じている。新しいマネージャーのリチャードとバンドと共にヨーロッパツアーへと出発したニコだったが、薬物に依存しており、次々と問題を起こしてしまう。チェコスロバキアでのライブでは、プロモーターが地元当局に自分達のライブの許可を得ず、告知をしていないと知り、不安になるが、ステージに立った途端、観客は大熱狂。しかし、警察の強制捜査が入りライブは中断。ニコたちは危機一髪の状態に陥るが、逮捕を免れ、逃亡に成功する。母としての後悔と葛藤を抱くニコは、薬物依存と自殺未遂でフランスの更生施設に収容されている息子アリを引き取り、ツアーに同行させるが‥‥。
監督・脚本:スザンナ・ニッキャレッリ
出演:トリーヌ・ディルホム、ジョン・ゴードン・シンクレア、アナマリア・マリンカ、サンドル・フュンテク、トマス・トラバッキ、カリーナ・フェルナンデス、カルヴィン・デンバ
配給:NEGA
©2017 VIVO FILM / TARANTULA
2026年7月17日(金) キノシネマ新宿、池袋シネマ・ロサ、アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開
公式サイト nico.negadesignworks.com