ビートルズのコンサート開催を中心に、1965年のニューヨークとその人々を多様な視点で描いたドキュメンタリー映画、『ビートルズがいた夏』が、1996年のビートルズ初来日から60年目の記念公開として、全国順次公開される。
本作は、ルーマニアの巨匠アンドレイ・ウジカが、処刑された独裁者を描いた彼の記念碑的作品『ニコラエ・チャウシェスクの自伝』以来となる長編作品として10年以上の歳月をかけ作り上げた新たな都市交響詩。ハーレムからロングアイランドのジョーンズビーチまで、ありふれたものから魔法のようなものまで、ビートルズのコンサート開催を中心に、ニューヨークとその人々を多様な視点で描いたこの作品は、100時間以上のニュース番組と100時間の個人の8ミリフィルムから抜粋したアーカイブ素材ですべてが構成されている。そこに、フランスのアーティスト、ヤン・ケビによるアニメーションを重ね合わせ、主人公の詩人ジェフリー・オブライエンとヒロインのモデルとなったコンサート・ファンのジュディス・クリステンの個人的な文章、およびウジカ自身が1972年に書いた詩を用いた声を加えている。この想像力に富んだドキュメンタリーは、歴史からやがて消え去ってしまう儚くも忘れがたい瞬間を、感動的かつ独特のセンスで蘇らせる。

このたび公開された予告映像は、1965年8月15日、シェイ・スタジアムでいよいよビートルズのコンサートが開催される日に、友人たちと車で出かける女の子たちが、声を掛けあいながら走るシーンから始まる。ニューヨークの象徴でもある自由の女神、賑わう夏のビーチでは、家族が楽し気に写真を撮っている。庭で遊ぶ子供たち、サングラスを掛けた女性が歩くニューヨークの町、そこにはニューヨークで初めてビートルズの曲を流した人気DJの声が重なる。このDJは、ニューヨーク・タイムズ紙、ル・モンド紙などにイラストを提供するフランスのアーティスト、ヤン・ケビの描く主人公ジェフリーの父親である。「気温は20度を超えた」という爽やかな夏の午後。タイトルロゴのあと、1965年8月13日、ビートルズがTWA機のタラップから、ニューヨークに降り立つ姿を映す。ニューヨークの街では、彼らを一目見ようとするビートルマニアで溢れている。
続いて「作家になろうとする17歳の少年と、蝶の化身のような少女が出会った」様子として、アニメーションで本作の主人公ジェフリーが海辺で少女の姿を描く姿が映し出される。同時にスタジアムの脇で開催されている万博では、アミューズメントを楽しむ姿が。アメリカという国の力が誇示される。次のシーンでは反対に西海岸で起きた暴動の様子が映され、ストリートで歌う人の姿と、遊ぶ子供たち、音楽と共に踊る人々、華やかな万博とはかけ離れた暗部が映り、最後には撮影しているカメラを手で払う映像が入る。


シェイ・スタジアムの満席の観客席から、カメラのフラッシュが光る。その中にジェフリーがいる。「蝶の夢をみる」という女の子の髪がなびいて、ゆっくりと大きな蝶になる、そして夏のシェイ・スタジアムの空高く舞い上がる姿を、ヤン・ケビのアニメーションで描きながら、「そしてきっと“さよなら”だった」というタイトルと共に、誰もが体験したであろう17歳の男の子の“あの夏の週末”を想起させて終わる。使用されている曲は、ビートルズがカバーして一層有名になったチャック・ベリーの『ロール・オーバー・ベートーヴェン』、そして公民権運動にも積極的に関わり、1964年33歳で亡くなったサム・クックの『キューピッド』。そしてエンディングには、キング・カーティスの独特のサックスが響く。


映画『ビートルズがいた夏』は、2026年7月4日(土)より全国順次公開。

ルーマニアの巨匠アンドレイ・ウジカが、処刑された独裁者を描いた彼の記念碑的作品『ニコラエ・チャウシェスクの自伝』以来となる長編作品として10年以上の歳月をかけ作り上げた新たな都市交響詩。ハーレムからロングアイランドのジョーンズビーチまで、ありふれたものから魔法のようなものまで、ビートルズのコンサート開催を中心に、ニューヨークとその人々を多様な視点で描いたこの作品は、100時間以上のニュース番組と100時間の個人の8ミリフィルムから抜粋したアーカイブ素材ですべてが構成されている。そこに、フランスのアーティスト、ヤン・ケビによるアニメーションを重ね合わせ、主人公の詩人ジェフリー・オブライエンとヒロインのモデルとなったコンサート・ファンのジュディス・クリステンの個人的な文章、およびウジカ自身が1972年に書いた詩を用いた声を加えている。この想像力に富んだドキュメンタリーは、歴史からやがて消え去ってしまう儚くも忘れがたい瞬間を、感動的かつ独特のセンスで蘇らせる。
監督・脚本:アンドレイ・ウジカ
出演:トミー・マッケイブ、テレーズ・アザラ、シェア・グラント、サラ・マクラスキー
配給:オンリー・ハーツ
©LES FILMS CAMÉLIA, MODERN ELECTRIC PICTURES, TANGAJ PRODUCTION, ARTE FRANCE CINÉMA, L’INSTITUTNATIONAL DE L’AUDIOVISUEL, 2024
2026年7月4日(土) シアター・イメージフォーラム他にて全国順次公開