Jan 15, 2022 news

モノクロによる美しいショットで描かれる 映画『ダムネーション/天罰』の予告映像が公開

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いまなお世界中に熱狂的な支持者を生み出している巨匠タル・ベーラ監督が初期に手がけた日本初公開となる『ダムネーション/天罰』、『ファミリー・ネスト』、『アウトサイダー』の3作品が、4Kデジタル・レストア版で、1月29日(土)よりシアター・イメージフォーラムほかにて一挙上映される。94年に手がけた全150カット、上映時間7時間18分の伝説的傑作『サタンタンゴ』に至るまでの軌跡をたどることができ、伝説前夜のラインナップとなる「タル・ベーラ 伝説前夜」。

公開された『ダムネーション/天罰』の特別予告映像では、“驚くべき作品(The Guardian)”、“映画史上最も素晴らしい幾つかのモノクロームショットがここにはある(Village Voice)”の映画評の通り、モノクロによる美しいカットで描かれている。タル・ベーラならではの長回しで店内の様子がじっくりと映し出され、「もう終わり、おしまい」「こんな気持ち、二度とないわ」と恋の終わりを歌う愛人の歌声を背景に、主人公の顔へノーカットでカメラが近づいていき、最後には不穏な笑みを浮かべる姿が。

“『ダムネーション/天罰』は『サタンタンゴ』の前哨戦だ(The New York Times)”と言われる通り、本作は『サタンタンゴ』のメインスタッフが初めて揃った記念碑的作品。長回しによるカメラワーク、降り続く雨、人間の厭らしさ、アコーディオンによる音楽‥‥など『サタンタンゴ』に通ずる作風が作中では随所に見て取れる。

小説家の深緑野分は「卓越したカメラワーク。映像でこれほど雄弁な表現が可能とは!」とコメント。ほかにも映像作家の辻川幸一郎は「全てのショットが静謐で憂鬱で美しい。完璧。」、俳優の井之脇海は「白黒の世界が色づいてみえた。タル・ベーラ マジック」と絶賛。

さらに、「見惚れてしまうかっこいいシーンがいくつかあったなと思い返してみたら全部かっこよかった。」と語る漫画家の大橋裕之のイラストも公開された。

タル・ベーラはいかにして唯一無二の映画作家となったのか‥‥「タル・ベーラ 伝説前夜」3作品は、1月29日(土)よりシアター・イメージフォーラムほかにて一挙公開。

作品情報
映画『ダムネーション/天罰』

『サタンタンゴ』原作者であり、本作以降すべての作品で共同作業を行う作家クラスナホルカイ・ラースローがはじめて脚本を手がけた。さらに「秋の暦」から音楽を手がけるヴィーグ・ミハーイが本作にも携わり、”タル・ベーラ スタイル”が確立された記念碑的作品。罪に絡めとられていく人々の姿を「映画史上最も素晴らしいモノクロームショット」(Village Voice)で捉えている。

監督・脚本:タル・ベーラ

配給:ビターズ・エンド

2022年1月29日(土) シアター・イメージフォーラムほかにて一挙公開

公式サイト bitters.co.jp/tarrbela/

映画『ファミリー・ネスト』

わずか22歳で手がけた鮮烈な監督デビュー作。住宅難のブダペストで夫の両親と同居する若い夫婦の姿を、16ミリカメラを用いてドキュメンタリータッチで撮影した。不法占拠している労働者を追い立てる警察官の暴力を撮影して逮捕されたタル・ベーラ自身の経験を基にしている。ハンガリー批評家賞の新人監督賞、さらにマンハイム国際映画祭でグランプリを獲得した。

監督・脚本:タル・ベーラ

配給:ビターズ・エンド

2022年1月29日(土) シアター・イメージフォーラムほかにて一挙公開

公式サイト bitters.co.jp/tarrbela/

映画『アウトサイダー』

ブダペストの映画芸術アカデミーに在籍中に製作された長編2作目。社会に適合できないミュージシャンの姿を描いた、珍しいカラー作品。タル・ベーラは本作に対し、「当時のハンガリー映画に映っているのは嘘ばかりだった。本当の人々の姿を撮りたかった。これは映画に対するアンチテーゼだ」と語っている。

監督・脚本:タル・ベーラ

配給:ビターズ・エンド

2022年1月29日(土) シアター・イメージフォーラムほかにて一挙公開

公式サイト bitters.co.jp/tarrbela/