芥川賞作家・村田沙耶香のベストセラー小説「消滅世界」が著者初となる実写映画化される。そして、この度、映画『消滅世界』の主演を蒔田彩珠が務めることが発表された。

原作は、現在累計170万部を超える芥川賞受賞作「コンビニ人間」直前の2015年12月に刊行された、村田沙耶香による長編小説。超少子化の先、「性」が消えゆく世界で激動する「恋愛」「結婚」「家族」のあり方に翻弄される若者たちが描かれていく。

「日本の未来を予言する小説」と話題となった小説を映像化するのは、MTV出身で、Radiohead、Oasisなど国内外のさまざまなアーティストのライブやミュージックビデオ、CM、ショートフィルム、大河ドラマのドキュメンタリーなどを手掛ける映像ディレクター・川村誠。川村は、監督と脚本を担当する。
そして、主人公・雨音役を演じるのは、是枝裕和監督の『三度目の殺人』『万引き家族』や、NHK連続テレビ小説「おかえりモネ」に出演し、日曜劇場「御上先生」での演技も話題となった蒔田彩珠。確かな実力で注目を集める蒔田が、刺激的なテーマを内包した衝撃作の実写化に挑む。
【コメント】
▼蒔田彩珠
この物語を、初めはSFと感じる人が殆どなのではないでしょうか。私自身も、ありえない世界、経験するはずもない気持ちをどう表現するか、壮大なファンタジーをリアルに演じるには、と難しさを感じていましたが、そんな心配は必要ありませんでした。どんどん物語に引き込まれ世界観が変わっていき、これは未来の現実?とまで考えてしまいそうになる自分が怖くなりました。今、当たり前と思っている現実は作られたものであり、貫いているつもりの自己も危ういのではないか。脳内が刺激され、人生について深く考えさせられます。観てくださったみなさんの感想が楽しみな作品です。
▼川村誠
観る者が彼女から目を離せなくなる、シーンを支配してしまうような引力― 兼ねてより俳優としての蒔田さんの存在感と演技力に底知れないポテンシャルを感じていました。等身大の二十代女性の自然体の中に、全ての村田作品の主人公から受け取れる「自らに刃を向けるような内省」を体現できる俳優。探し求めていたのはこの方だと、初対面で直感しました。
現場に入り、物語を深いところで理解しながら感じたままに演じるその姿からは、一種の”憑依力”のようなものを感じました。
確かに雨音はそこに存在しました。
主人公のこの表情、この感情を描くために映画を撮ったのだ、と思える瞬間が幾度となく訪れました。
非常に難しいこの役柄に挑んでくださった事に心から感謝しています。
撮影現場で自分が目の前で感じた「演技で心揺さぶられる感覚」―その衝撃と感動を、スクリーンで味わって頂ける日が今から待ち遠しいです。
映画『消滅世界』は、2025年秋 公開。

人工授精で、子どもを産むことが定着した世界。 そこでは、夫婦間の性行為はタブーとされ 恋や性愛の対象は「家庭の外」の恋人か、二次元キャラというのが常識に。 そんな世界で「両親が愛し合った末」に生まれた主人公・雨音は、母親に嫌悪を抱いていた。 家庭に性愛を持ち込まない清潔な結婚生活を望み、夫以外のヒトやキャラクターと恋愛を重ねる雨音。 だがその“正常”な日々は、夫と移住した実験都市・楽園(エデン)で一変する。
監督・脚本:川村誠
原作:「消滅世界」(村田沙耶香著/河出文庫)
出演:蒔田彩珠
配給:NAKACHIKA PICTURES
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2025年秋 公開