Jun 19, 2023 news

井浦新が予告編ナレーションを担当 世界遺産の舞台裏を描くドキュメンタリー 映画『わたしたちの国立西洋美術館』

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【コメント】

▼井浦新

西洋美術は印象派が好きで、なかでも日本美術、浮世絵の影響を受けたゴッホとスーラに惹かれます。ゴッホの「星月夜」の渦巻きも大好きだし、見ているとワクワクする。スーラはすっと品が良いのですが、よく見ると狂気を感じる。どちらの作家にも強烈な魅力を感じます。

ありがたいことに、今まで美術にまつわるお仕事をたくさん頂いて、展覧会に関わらせて頂いたことも何度かありますが、僕がずっと感じてきたことは、何百年も前の芸術が目の前にあることは当たり前ではない、ということ。絵画をどう守っていくか、修復が必要なものは如何に昔の状態に戻すか、経年変化をどうやって緩やかにしていくか。展覧会を作っていく学芸員の方たちがチームを組んで、本当にすごいことをやっている。やはり“人”なんですよね。

絵画を見て、その絵を描いた作家を感じるように、美術館に行くと、学芸員や研究者の方々、美術館をきれいに保ってくれている掃除の方たちまで、美を守ろうとする多くの方たち、人の想いを感じる。それが美術館の魅力だと思います。美術館で働く人々のことは、お客さんは知らなくても良いかもしれない。だけど、知ってから美術館に行って美術を見ると、もっと楽しくなる。この映画を見て、国立西洋美術館に行ったら、見る前とは国立西洋美術館の見方や過ごし方がきっと変わる。映画を見てから美術館に行くのもいいし、行ってから映画を見ても、どっちも楽しい。無機質に感じるかもしれない美術館も、実は生き物なんです。

作品情報
映画『わたしたちの国立西洋美術館 奇跡のコレクションの舞台裏』

1959年、フランス政府から日本へ寄贈返還された「松方コレクション」を基礎に、モネの「睡蓮」をはじめルノワール、ピカソ、ゴッホなどの名画からロダンの「考える人」「カレーの市民」などの彫刻、版画、素描などおよそ6,000点の作品を所蔵、東アジア最大級の西洋美術コレクションを誇る国立西洋美術館。2020年、ル・コルビュジエが構想した創建時の姿に近づける整備のために休館した美術館の、普段は見ることのできない内部にカメラが入り、1年半の長期間にわたり密着。所蔵品の保存修復作業、コレクションの調査研究や海外・国内美術館への巡回展、特別展の企画開催など、「美」を守り伝えることに奔走し、尽力する人々の情熱と多岐にわたる活動を追う。絢爛たる傑作の数々が目を楽しませる一方で、関係者へのインタビューからは、日本の文化行政が抱える難問と美術館の目前に迫る“危機的状況”が浮かび上がり‥‥。

製作・監督・撮影・録音・編集:大墻敦

配給:マジックアワー

©大墻敦

2023年7月15日(土) シアター・イメージフォーラムほか全国順次ロードショー

公式サイト seibi-movie