ロウ・イエ監督最新作『サタデー・フィクション』の予告映像と場面写真が公開された。
本作は、世界各国の諜報員が暗躍していた太平洋戦争開戦前夜の魔都上海を舞台にした、日本海軍少佐と女スパイの偽りの愛と策略の7日間の物語。人気女優とスパイ、という2つの顔を持つ主人公を中心に据え、当時上海の中心とされていた現存する劇場「蘭心大劇場」で巻き起こる愛と謀略の物語を美しいモノクロ映像で描き出す。
監督を務めるのは、『ふたりの人魚』『天安門、恋人たち』『スプリング・フィーバー』など、中国に生きる若者の心情を瑞々しく、過激に描き続けてきた映画監督ロウ・イエ。2019年の第76回ベネチア国際映画祭コンペティション部門に正式出品を果たした本作が、ついに日本でも公開を迎える。
諜報員という裏の顔をもつミステリアスな人気女優の主人公ユー・ジン役には、ディズニー・アニメーション『ムーラン』の実写版などハリウッドでも活躍する、女優のコン・リー。日本軍の暗号通信の専門家・古谷三郎に扮するのは、オダギリジョー。
さらに、オダギリ演じる古谷の護衛・梶原には出演映画の公開が続く中島歩。その他、海外ドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」「ストレンジャー・シングス 未知の世界」で知られるトム・ヴラシア、『エディット・ピアフ~愛の讃歌~』のパスカル・グレゴリー、台湾の国民的人気俳優マーク・チャオら国際色豊かなインターナショナルキャストが名を連ねる。
本作は、ロウ・イエ作品初の全編モノクロ映像。ロウ・イエ監督は「映画の原点であるモノクロ映画を撮ることがずっと夢だった。以前に上海で撮影した『パープル・バタフライ』でも、モノクロで撮ろうと話が持ち上がったことはあったものの結局実現できなかった。本作でようやく叶えることができてとても嬉しい」と生まれ育った故郷の上海で念願を叶えた喜びを語っている。
映画『サタデー・フィクション』は、2023年11月3日(金・祝)より全国順次公開。
日本が真珠湾攻撃をする7日前の1941年12月1日、魔都と呼ばれる上海に、人気女優のユー・ジンが現れる。新作の舞台「サタデー・フィクション」で主役を演じるためだ。一方、この大女優ユー・ジンには、幼い頃、フランスの諜報部員ヒューバートに孤児院から救われ、諜報部員として訓練を受けた過去があり、銃器の扱いに長けた「女スパイ」という裏の顔があった。日本軍の占領を免れた上海の英仏租界は、当時「孤島」と呼ばれていた。その魔都上海では、日中欧の諜報部員が暗躍し、機密情報の行き交う緊迫したスパイ合戦が繰り広げられていた。そして2日後の12月3日、日本から海軍少佐の古谷三郎が海軍特務機関に属する梶原と共に、暗号更新のため上海にやってくる。ヒューバートはユー・ジンに告げる。「古谷の日本で亡くなった妻は君にそっくりだ」と。それは、古谷から太平洋戦争開戦の奇襲情報を得るためにフランス諜報部員が仕掛けたマジックミラー作戦の始まりだった‥‥。
監督:ロウ・イエ
出演:コン・リー、マーク・チャオ、パスカル・グレゴリー、トム・ヴラシア、ホァン・シャリー、中島歩、ワン・チュアンジュン、チャン・ソンウェン、オダギリジョー
配給:アップリンク
©YINGFILMS
2023年11月3日(金・祝) ヒューマントラスト有楽町、新宿武蔵野館、シネリーブル・池袋、アップリンク吉祥寺ほか 全国順次公開