コラム 佐々木誠の『映画記者は今日も行く。』第237回
第33回東京国際映画祭が10月31日に開幕した。
オープニングセレモニーには、フェスティバル・アンバサダーを務める俳優の役所広司、「Japan Now」部門特集より深田晃司監督、俳優の森崎ウィン(『本気のしるし <劇場版>』)、女優の筒井真理子(『淵に立つ』『よこがお』)、オープニング作品『アンダードッグ』より佐藤現プロデューサー、武正晴監督、脚本の足立紳、出演の森山未來(舞台公演のためモニターでの参加)、北村匠海、瀧内公美が出席した。
なお、本年度は新型コロナウイルスの影響により海外からの招聘が難しい状況となったが、ビデオメッセージという形で、クリストファー・ノーラン監督、アピチャッポン・ウィーラセタクン監督、カンヌ国際映画祭総代表のティエリー・フレモー氏、そして俳優のロバート・デ・ニーロからお祝いのコメントが届けられた。
「ロバート・デ・ニーロさんのような短いコメントでいけるといいんですが(笑)」と、開口一番ジョークを飛ばし笑いを誘った役所は「今回の映画祭の開催は今までとは違うので、実行委員の皆さんの苦労は大変だったろうと思います。今日から始まるこの気の抜けない期間、関係者の方々と頑張っていきますのでよろしくお願いします。今回のコロナ禍での開催は今後に生かされると思います。コロナは先が読めません。共存していくのであれば、みんなで知恵を絞りながら映画祭を続けられるよう頑張っていきたいです」と力強い言葉で挨拶すると、最後には「アンバサダーという大役を頂きましたが、何の役に立てるか分かりません。ただ、日本映画には素晴らしい先輩がいて、世界中の映画ファンを魅了してきたので、そういう先輩たちに恥じないよう映画祭が成熟していくことを心から願っています」と期待を込めていた。
また、「Japan Now」部門にて作品を特集上映されることになった深田監督は「今回驚きました。まだ特集を組んでもらえるようなキャリアではないと思っていたので。2010年に『歓待』で賞(第23回東京国際映画祭 日本映画「ある視点」部門で作品賞受賞)を頂いてからちょうど10年目となるので、次の10年も頑張れという叱咤激励を受けているように感じました」と吐露すると、「コロナ禍での開催自体奇跡のようなものですが、今、『鬼滅の刃』が大ヒットを記録し、(映画界も)活力を取り戻しつつあります。作品に関わったスタッフ、キャスト、そしてムーブメントを巻き起こしているお客さんに対して、この業界にいる一人として御礼申し上げます」と感謝の言葉を口にしていた。
セレモニーにはその他、平祐奈、優希美青、三木康一郎監督(『10万分の1』)、土屋太鳳、EXILE NAOTO、寺門ジモン監督(『フード・ラック!食運』)、大九明子監督(『私をくいとめて』)、佐久間由衣、森田想、吉野竜平監督(『君は永遠にそいつらより若い』)、藤原季節(『佐々木、イン、マイマイン』)ら、各上映作品からも多くの監督、スタッフ、キャストが登場した。
東京国際映画祭は10月31日(金)から11月9日(月)まで、六本木ヒルズ、東京ミッドタウン日比谷ほかを会場に開催中。
開催期間:2020年10月31日(土)~11月9日(月)。
開催会場:六本木ヒルズ、EXシアター六本木(港区)、東京ミッドタウン日比谷 日比谷ステップ広場(千代田区)、東京国際フォーラム(千代田区)ほか 都内の各劇場及び施設・ホールを使用
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