コラム 佐々木誠の『映画記者は今日も行く。』第202回
先日AKB48グループからの卒業を発表した田野優花が、3月18日に渋谷HUMAXシネマで行われた、映画『リンキング・ラブ』のDVD発売記念イベントに出席した。
卒業発表後、初めて公の場に姿を現した田野は「昨年の頭くらいに「居てあと1年くらいかな」ってザックリと考えていて、それからあるきっかけがあり卒業を発表することになりました」と心境を吐露すると、今後については「今年はリスタートの年だと思っています。壁にぶち当たるだろうっていう覚悟もありますし、自分的には舞台も大好きですが、今回の作品で映像の難しさや楽しさも分かってきたので、これからやる機会があったら映像の方も全力でやっていきたいです!」と、力強く抱負を述べていた。
“AKB”繋がりでは、一緒に登壇した百合沙も「ずっとAKB48に憧れていて、実は10年前に書類選考に受かったことがあるんです」と告白。しかし、「『面接の場所をお知らせしますので21時までに電話をください』って、携帯に留守電が入ってたんですが、それに気付いたのが21時半だったんです」と打ち明けると、共演者たちからは「あ〜あ」と溜め息が。「結局、(電話を)掛け直さなかったんですよね。熱意が足りませんでした。それからは夢にAKB48が出てくるようになったんです」と、自分を責めながらも、「でも今が楽しいんで、こういう運命だったのかなと思っています」と、スペインの血が流れる百合沙らしくラテン系の明るさで現実を見つめていた。
また、『リンキング・ラブ』出演時のことについて、田野は「『AKBINGO!』っていうバラエティ番組を毎週やっていたら、バラエティ慣れしてしまったのか、何でもドッキリじゃないかと考えてしまって、今回の映画に関してもスケジュールの予定が来るまで信じられませんでした。ギリギリまで疑ってたんですよね(笑)」と振り返ると、撮影に関しては「全体的に、ダンス以外はほぼずっと緊張していて、緊張した上で全力を出したつもりだったんですが、完成した作品を観た時は、もっとリラックスした状態で全力が出せれば良かったなぁって思いましたし、もうちょっとコメディ要素を出せたら良かったって思いました」と、後悔の念を滲ませる田野だった。
なお、メガホンを執った金子修介監督によると、オーディションではAKB48の大ヒットナンバー『恋するフォーチュンクッキー』を踊ってもらったそうなのだが、AKB48のことをあまりよく知らないという金子監督は、現場で踊れる人が多かったことに驚いたようで、田野に「あれって誰でも踊れるものなの?」と問い掛けると、「はい。誰でも(笑)」と、笑顔で即答する田野の姿も見られた。
イベントにはその他、出演の益田恵梨菜、未浜杏梨、佐々木しほ、久田莉子、瀬名葉月(映画出演時は「葉月」名義)が出席した。
映画『リンキング・ラブ』(BS-TBS配給)
映画『リンキング・ラブ』(BS-TBS配給)は、1990年代初頭のバブル末期を舞台に、タイムスリップした女子大生が両親の離婚危機を阻止するべく奔走する姿を描いた、萩島宏による同名ネット小説を実写映画化した青春SFコメディ。
監督:金子修介 脚本:長谷川隆、金子修介 出演:田野優花、石橋杏奈、白洲迅、中尾明慶、落合モトキ、加藤諒、武田航平、ねりお弘晃、益田恵梨菜、樋井明日香、未浜杏梨、長谷川眞優、佐々木しほ、眞嶋優、古橋舞悠、森岡朋奈、磯原杏華、瀬名葉月、百合沙、落合萌、久田莉子、木下愛華、大倉孝二、黄川田将也、木下隆行(TKO)、渡辺徹、浅田美代子、西村まさ彦 ほか