コラム 佐々木誠の『映画記者は今日も行く。』第21回
「1000年に1度の童顔巨乳」
そんなちょっと下品なキャッチコピーを付けられながら、
本作『14の夜』では、ヤンキー少女【西野メグミ】を演じ、
また、お気に入りのシーンについて聞かれた浅川は、「
浅川について、本作で初めてメガホンを執った足立紳監督は、「
ところで、「◯◯年に1度」というキャッチコピーは、
一番インパクトが強かったのは、やはり「1000年に1人の逸材」と称された、天使すぎるアイドル・橋本環奈の出現だろう。インターネットに投稿された「奇跡の一枚」と言われる写真をきっかけに、一躍その人気と認知度は全国区へと広がっていった。 それに呼応するかのように、その後も、「2000年に1人の美少女」滝口ひかりや、「4000年に1人のアイドル」チュー・チンイーなど、光り輝く原石たちが続々と登場した。
ちなみに、このキャッチコピーは何もアイドルだけに限らず、こんなものにまで浸透している。それがワインのボージョレ・ヌーヴォーだ。 その出来に関して毎年評価がされているが、それがまた面白い。「◯◯年に1度」に特化した評価を少し挙げてみる。
◆1996年「10年に1度の逸品」 ◆2001年「ここ10年で最もいい出来栄え」 ◆2002年「過去10年で最高と言われた01年を上回る出来栄えで1995年以来の出来」 ◆2003年「110年ぶりの当たり年」 ◆2009年「過去最高と言われた05年に匹敵する50年に一度の出来」 ◆2011年「100年に1度の出来とされた03年を超す21世紀最高の出来栄え」
誰が本当のことを言っているのか? もう、難解な推理問題を解くような気分である。
ちなみに、今から1000年前の1016年というと、ちょうど平安時代中期の公卿、藤原道長が摂政となった年である。
摂政とは、君主に代わって政治を執り行うこと、その人物のこと。
「週刊ヤングマガジン」では史上初となる、“初登場にして表紙から巻末までぶち抜く”というグラビアジャックを敢行するなど、その圧倒的な存在感で、現在グラビア界のトップに君臨している浅川梨奈。 だが残念ながら、その世界でトップに居続けるということは至難の業であり、すぐにでも君主・浅川に代わって、新たな「◯◯年に1人の逸材」が現れることは、もはや必然のことなのだ。
今まさに、アイドル界は群雄割拠の時代である。
映画『14の夜』(SPOTTED PRODUCTIONS配給)
映画『14の夜』(SPOTTED PRODUCTIONS配給)は、『百円の恋』の脚本家・足立紳の監督デビュー作で、1987年の田舎町を舞台に、性への妄想を膨らませる中学生たちの姿を描いた青春ストーリー。
監督・脚本:足立紳 出演:犬飼直紀、濱田マリ、門脇麦、和田正人、浅川梨奈(SUPER☆GiRLS)、健太郎、青木柚、中島来星、河口瑛将、稲川実代子、後藤ユウミ、駒木根隆介、内田慈、坂田聡、宇野祥平、ガダルカナル・タカ、光石研 ほか