Jan 30, 2025 news

子供の視点で描かれる悪夢のような日常 ベルギーの新鋭監督が7歳の少女の葛藤と不安心理をあぶり出す 映画『Playground/校庭』

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ベルギーの新鋭ローラ・ワンデル監督の長編デビュー作、映画『Playground/校庭』。この度、本作の本予告映像、本ビジュアルが公開された。

ローラ・ワンデル監督が鮮烈な長編デビューを飾った本作は、どこにでもありそうな小学校の敷地内に舞台を限定し、全編を主人公である7歳の少女の視点で紡ぎ上げた生粋の“学校”映画。徹底された演出手法は、さながら没入型のスリラー映画のような並外れた緊迫感と臨場感を生み、子供にとってあまりにも過酷な現実を生々しくあぶり出す。

第74回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門に出品され、国際批評家連盟賞を受賞。さらにロンドン映画祭で新人監督賞に輝くなど、世界中で29の賞を獲得し(2024年11月時点)、第94回米アカデミー賞国際長編映画賞のショートリストにも選出された。

巨匠、ダルデンヌ兄弟に認められた、1984年、ブリュッセル生まれのベルギーの新たな才能、ローラ・ワンデル監督が描き出す本作は、ドキュメンタリーのような迫真性に満ちながら、ヴィジュアルも音響もすべてが緻密に構築されたフィクション。ワンデル監督はあらゆるショットを子供の目の高さに設定し、被写界深度が極端に浅く、視野の狭い映像によって、観る者にノラが見聞きすることを疑似体験させる。そうして100%ノラの視点で撮られたこの映画は、親や先生といった大人は子供の目にどう映るかという描写も盛り込まれ、多くの発見をもたらすサスペンスフルな一作が完成した。

映画『Playground/校庭』は、2025年3月7日(金)より全国公開。

作品情報
映画『Playground/校庭』

7歳のノラが小学校に入学した。しかし人見知りしがちで、友だちがひとりもいないノラには校内に居場所がない。やがてノラは同じクラスのふたりの女の子と仲良しになるが、3つ年上の兄アベルが大柄なガキ大将にイジメられている現場を目の当たりにし、ショックを受けてしまう。優しい兄が大好きなノラは助けたいと願うが、なぜかアベルは「誰にも言うな」「そばに来るな」と命じてくる。その後もイジメは繰り返され、一方的にやられっぱなしのアベルの気持ちが理解できないノラは、やり場のない寂しさと苦しみを募らせていく。そして唯一の理解者だった担任の先生が学校を去り、友だちにのけ者にされて再びひとりぼっちになったノラは、ある日、校庭で衝撃的な光景を目撃するのだった。

監督・脚本:ローラ・ワンデル

出演:マヤ・ヴァンダービーク、ガンター・デュレ、カリム・ルクルー、 ローラ・ファーリンデン

配給:アルバトロス・フィルム

©2021 Dragons Films/ Lunanime

2025年3月7日(金) 新宿シネマカリテ、シネスイッチ銀座他全国公開

公式サイト playground-movie