1988年の刊行以来、撮影技術を学ぶ世界中の学生、カメラマン志望者、プロの撮影監督たちのバイブルとして今日まで読み継がれている「マスターズ・オブ・ライト アメリカン・シネマの撮影監督たち」(原著『Masters of Light』[1983年刊、2013年新版刊])が、最初の邦訳以来、約35年の時を経て、新たな章などを加えた「完全版」として復刊する。
旧版では未収録だったビル・バトラー(『ジョーズ/JAWS』)、コンラッド・ホール(『明日に向かって撃て!』)、マリオ・トッシ(『キャリー』)、ビリー・ウイリアムズ(『ガンジー』)の章に加え、新たにジョン・ベイリーによるまえがき「新版によせて」を収録しており、アメリカン・ニューシネマ以後の”映画撮影術の黄金時代”を彩る総勢15名の撮影監督たちの証言は、フィルム撮影の真価が見直されつつあるデジタル全盛の今日においてこそ、新たに読まれ直されるべき知見に溢れている。
本書は、カメラの技術的な問題ばかりではなく、60〜80年代のハリウッド映画の制作現場におけるシナリオの問題、俳優の演技、監督による演出・演技指導に対し、撮影を統括する撮影監督はいかに向き合ってきたのか等、「撮影」に焦点を当てた、超一流カメラマンたちの実体験に基づくハリウッドの映画制作をめぐる貴重な証言集でもある。
1900年代後半における撮影技術の進化と変化、制作現場での様々な出来事、そこに眠る秘密を読み進めることで、映画史を学ぶ学生や若きカメラマン志望者だけではなく、すべての映画ファンにとって楽しめる一冊となっている。
書籍「マスターズ・オブ・ライト[完全版] アメリカン・シネマの撮影監督たち」は1月26日(木)より発売。
【収録されている撮影監督】
ネストール・アルメンドロス / ジョン・アロンゾ / ジョン・ベイリー / マイケル・チャップマン / ウィリアム・フレイカー / ラズロ・コヴァックス / オーウェン・ロイズマン / ヴィットリオ・ストラーロ / ハスケル・ウェクスラー / ゴードン・ウイリス / ヴィルモス・スィグモンド
【初収録の撮影監督】
ビル・バトラー / コンラッド・ホール / マリオ・トッシ / ビリー・ウイリアムズ
編:デニス・シェファー、ラリー・サルヴァート
訳:髙間賢治、宮本高晴
発行・発売:株式会社フィルムアート社
2023年1月26日(木) 全国の書店・各ネット書店にて発売