生の哀しみを鮮烈に描いた河林満による同名小説が、『凶悪』『彼女がその名を知らない鳥たち』『孤狼の血』シリーズ、『死刑にいたる病』などの映画監督・白石和彌の初プロデュースによって刊行から30年の時を経て映画化される、映画『渇水』。
この度、主人公 岩切(生田斗真)が、息子と共に実家に帰ってしまった妻、和美(尾野真千子)とひまわり畑を訪れるシーンの場面写真が公開された。
水道料金を滞納する家庭の水を日々停めて回る業務に就く水道局員で、自身の親との関係性から息子への愛情表現が分からなくなってしまった岩切。和美は彼に寄り添おうとするのだが、岩切は和美と向き合うこともうまく出来ず、2人の間には深い溝ができてしまう。
監督は、根岸吉太郎、高橋伴明、相米慎二をはじめ錚々たる監督作品で助監督としてキャリアを重ねた髙橋正弥。
この象徴的なシーンを撮影するにあたり、髙橋監督は「渇いた地域で働く設定の岩切と対比して、和美の地域は潤っていて、水が行き届いており、花が開いているという画をつくりたかった。」と、脚本の段階から大切なシーンとして構想していたことを明かす。また、「太陽と水、全てを表現できる花がひまわりであったので、やはり、ひまわりがよかった。撮影時期が8月末〜9月と、ひまわりが咲いている場所があまりなかったのですが、たまたま群馬でそういった場所があったということもあり、ロケ地自体を前橋にすることにしました。」と、こだわりを語った。
心に渇きを抱える岩切が、幼い姉妹と出会ったことで自身の家族との関係性ともあらためて向き合うこととなる物語後半。岩切に訪れた変化、最終的に彼が選んだ思いがけない行動とは。
映画『渇水』は6月2日(金)より全国公開。
日照り続きの夏、市の水道局に勤める岩切俊作は、来る日も来る日も水道料金が滞納する家庭を訪ね、水道を停めて回っていた。県内全域で給水制限が発令される中、岩切は二人きりで家に取り残された幼い姉妹と出会う。蒸発した父、帰らなくなった母親。困窮家庭にとって最後のライフラインである“水”を停めるのか否か。葛藤を抱えながらも岩切は規則に従い停水を執り行うが‥‥。
監督:髙橋正弥
原作:河林満「渇水」(角川文庫刊)
出演:生田斗真、門脇⻨、磯村勇斗、山﨑七海柚穂 、宮藤官九郎、池田成志、尾野真千子
配給:KADOKAWA
©「渇水」製作委員会
2023年6月2日(金) 全国公開