Jul 29, 2022 news

『キッド』『E.T.』『クレイマー、クレイマー』を参考に監督の少年時代の体験を映画化 映画『1640日の家族』監督インタビュー&メッセージ映像公開

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フランスを涙で包んだ実話に基づく感動作、映画『1640 日の家族』が本日、7月29日(金)TOHO シネマズ シャンテほかで全国公開された。

生後18カ月のシモンを受け入れた里親のアンナと夫のドリス。2 人の息子とは兄弟のように育ち、幸せな4年半が過ぎようとしていた。ところがそんなある日、実父のエディからシモンを手元で育てたいという 申し出が。突然訪れた“家族”でいられるタイムリミット。その時、彼らが選んだ未来とは。

この度、ファビアン・ゴルジュアール監督のインタビュー映像が公開された。
監督が子どもの頃、両親が里子を迎え、4 年半一緒に暮らした経験を基に生まれた本作。まず幼少期の記憶をどのように脚本にしたのか尋ねられると、
「プロデューサーから、3 本の名作を脚本の参考に と薦められました。チャーリー・チャップリンの『キッ ド』、ロバート・ベントンの『クレイマー、クレイマー』、スティーヴン・スピルバーグの『E.T.』です。それから、里子と里親の実状について福祉関係者や里親にインタビューをしました。その中で実父エディのモデルとなる人物の話を知ったのです。子どもが誕生した後すぐ に母親が亡くなってしまい、打ちのめされた父親は赤ちゃんと引き離されてしまった。しかし、彼は生活を建て 直して、父親として息子に寄り添う場所を見つけたとい うのです。このエピソードは父親と里親、両方の愛情が伝わり、私にインスピレーションを与えてくれました。」と振り返る。

フランスで映画が公開されたときの反響について次のように語る。
「この映画を見た人は、多くの感情が湧き上がったと思います。フランスでは自分の家族や親戚、友人に、こうしたできごとがあるからです。叔父や叔母に里子がいたとか、養子に出された人を知っているとか、親でなく親戚に育てられたとか、そういったことが身近にあるのです。家族の絆が生まれ、そして解体していくストーリーは、多くの人の心を揺さぶりました。 大人だけでなく、当事者である子どもたちの心を揺さぶったのです。そして、彼らがまだ経験していない理想を知ってもらえたのではないかと思っています」。

続いて、実際に家族が映画を見た際の反応を尋ねられると「家族は本作の製作段階から内容について知っていました。しかし、たとえ知っていたとしても、過去の傷に触れる私たちの物語を観ることは、彼らには動揺を与えるだろうとは想像していました。もちろん、本作の内容と私たち家族の体験には多くの違いがありますが、里子への愛と感情をめぐるストーリーである点は同じです。実は、母と兄は里子と過ごした記憶をずっと閉じ込めていたので、観てもらうのを心配していたのです。初めて鑑賞した時の母の反応は意外でした。ラストシーンに涙を流し、私に『こ の監督の映画は2度と見たくない!』とジョークをいってくれたのです。ホッとしました。」と エピソードを明かした。

あわせて監督から日本の観客へ向けて「フランスの里親家庭を描いてはいますが、国境を越えてどんな家族にも響くよう、普遍性をめざして語りました」と話し、日本でも 幅広い観客に届いてほしいとメッセージを送った。

里親と“息子”の幸せな日々に、突然訪れた“家族”のタイムリミット。愛と葛藤の先に、彼らが選んだ未来とは。フランスをあたたかな涙で包んだ映画『1640 日の家族』は公開中。

作品情報
映画『1640日の家族』

生後18ヵ月のシモンを受け入れた里親のアンナと夫のドリス。2人の息子とは兄弟のように育ち、幸せな4年半が過ぎようとしていた。ところが、実父のエディからシモンを手元で育てたいと申し出が‥‥。突然訪れた“家族”でいられるタイムリミットに、彼らが選んだ未来とはーー。

監督・脚本:ファビアン・ゴルジュアール

出演:メラニー・ティエリー、リエ・サレム、フェリックス・モアティ、ガブリエル・パヴィ

配給:ロングライド

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公開中

公式サイト longride.jp/family