サンダンス映画祭で上映されるや世界のバイヤーがその権利に殺到。史上最高額の26億円でアップル社が落札、さらに史上最多受賞で世界を沸かせた、最高に胸熱で爽快な感動作、映画『コーダ あいのうた』が第94回アカデミー賞にて作品賞、助演男優賞(トロイ・コッツァー)、脚色賞(シアン・ヘダー)の3部門を受賞した。
【トロイ・コッツァー〈助演男優賞〉 受賞コメント】
私が今まで、ろう者の為の舞台に立てたのは大勢の方々のおかげです。その方々にも感謝を述べたいと思います。スピルバーグ監督の本を読んだのですが、彼によると最高の監督の定義はスキルのあるコミュニケーターであるわけですが、シアン・ヘダー監督は最高にスキルの高いコミュニケーターです。それは、障がい者とそうでない人との橋渡し役を務めたからです。そしてそれはいつまでもハリウッドに残る橋ということになります。そして我々もスタッフもキャストも皆がそれを評価していました。
私の父は最高の手話のできる人でした、彼は自動車事故に巻き込まれ、麻痺が残り手話ができなくなりました。お父さんから多くの事を学びました。いつも愛しています。わたしにとって英雄です。ファンの皆様、そして妻と娘、アリゾナのふるさと、そしてチームの皆様ありがとう。これはろう者の、コーダのコミュニティ、障がい者のコミュニティに捧げます。これは私たちの瞬間です。ありがとうございます。
【シアン・ヘダー監督〈脚色賞〉 受賞コメント】
インディペンデントフィルムとして苦労しました。プロデューサーのみなさん信じてくれてありがとう。この作り方を信じてくれてありがとう。サンダンスでこの映画が始まりました。この脚本を作ることは本当に人生が変わった経験でした。人間としてアーティストとして、コーダのコミュニティの皆さん、聴覚障害のみなさん、感謝を申し上げたいと思います。まさに映画という場で美しい言語をありがとう。
クルーの皆さん本当にありがとう。キャストの皆さんありがとう。私の家族もありがとう。両親も今日来ています。皆さんが私をアーティストに育ててくれました。そして主人のデイヴィッド、あなたの支えがなかったらできなかった。監督と母親の両立は大変だったけどあなたの支えのおかげです。子供たちありがとう。愛してる。
主人公の耳の聞こえない父親を演じ、助演男優賞を受賞したトロイ・コッツァーは実際に耳が不自由な俳優。ろう者の男優が受賞するのは100回近い歴史を誇るアカデミー賞史上でも初めてという快挙。トロイが「障がい者とそうでない人を繋いだ、ハリウッドに残る橋」と感謝を告げたシアン・ヘダー監督は、初の脚色賞そして作品賞受賞にASL(アメリカ手話)通訳もいれつつスピーチ。最後には映画でも登場する「I LOVE YOU FOEVER」の指サインをし、会場はASL手話での拍手(手のひらをひらひらとさせる)で包まれた。
授賞式をASL手話でライブ中継もしていた今年のアカデミー賞。ろう者の俳優で初めてアカデミー賞を受賞したのは、本作でトロイと夫婦役を演じているマーリー・マトリン。“妻”マーリーが『愛は静けさの中に』(86)で第59回アカデミー賞主演女優賞を受賞してから35年、今度は“夫”トロイがろう者俳優として史上2人目の受賞、さらにCODAをテーマにした映画『コーダ あいのうた』が脚色賞・作品賞も受賞し、アカデミー賞の歴史に名を残した。
CODA(コーダ)とは、Children of Deaf Adults=“耳の聴こえない両親に育てられた子ども”の意。また、音楽用語としては、楽曲や楽章の締めを表す=新たな章の始まりの意味も併せ持つ。1月21日に公開されるやいなや「ここ最近で一番号泣」「早くも今年ベスト」「歌声に酔いしれた」など大絶賛の声がSNSに続出、前週対比で100%超を連発するロングラン大ヒット。
映画『コーダ あいのうた』は、全国ロングラン公開中。
豊かな自然に恵まれた海の町で暮らす高校生のルビーは、両親と兄の4人家族の中で一人だけ耳が聞こえる。陽気で優しい家族のために、ルビーは幼い頃から“通訳”となり、家業の漁業も毎日欠かさず手伝っていた。新学期、秘かに憧れるクラスメイトのマイルズと同じ合唱クラブを選択するルビー。すると、顧問の先生がルビーの歌の才能に気づき、都会の名門音楽大学の受験を強く勧める。だが、ルビーの歌声が聞こえない両親は娘の才能を信じられず、家業の方が大事だと大反対。悩んだルビーは夢よりも家族の助けを続けることを選ぶと決めるが、思いがけない方法で娘の才能に気づいた父は、意外な決意をし‥‥。
監督・脚本:シアン・ヘダー
出演:エミリア・ジョーンズ、フェルディア・ウォルシュ=ピーロ、マーリー・マトリン
配給:ギャガ GAGA★
© 2020 VENDOME PICTURES LLC, PATHE FILMS
公開中
公式HP gaga.ne.jp/coda