スローライフに憧れてイラストレーターの妻・杏奈と脱サラした夫・輝道が、ある村に移住してきた。いわゆる意識高い系のインテリ夫婦は、村人たちのおせっかいに辟易しながらも、田舎暮らしを満喫する。
しかし、そこは村社会。村人の絡みつく視線、筒抜けのプライベート、夫婦に子作りを迫る過干渉などが次第に苦痛となっていく。夫婦の間に不協和音が流れ始めると同時に、村人たちへの不信感も募らせる。異様な空気感の中、若い夫婦は村人たちの狂気に飲み込まれ、村社会の闇に引きずりこまれていく‥‥。
長浜杏奈を演じた深川麻衣を主演に、『市子』などの話題作への出演が相次ぐ若葉竜也が、彼女の夫・上杉輝道を演じる。そして田口トモロヲ、杉田かおる、松浦祐也、片岡礼子、中山功太ら豪華キャストが脇を固める。監督は『性の劇薬』『女子高生に殺されたい』などを手掛け、今年3月20日に『悪い夏』の公開も控える城定秀夫。
本作ではSNSが発達した現在だからこそ、隠されたクローズドコミュニティーの恐怖が描かれる。今回、スリラー初挑戦となる深川麻衣さんに、本作へどう向き合ったか、また作品の魅力を伺った。
初めてのスリラー
ーー本作の出演が決まったときの心境についてお聞きしたいです。
初めてスリラー映画に挑戦できることがとても嬉しかったです。それに城定監督ともお仕事してみたかったので、すごく嬉しかったです。監督は、いろんなジャンルの作品を撮られていて、表現の幅がすごく広いですし、どういう現場なのか興味がありました。
ーー実際にスリラー映画に参加していかがでしたか?
この映画について、城定監督が「少し非日常な出来事の中でも、観ている方にリアリティーを感じてもらえるように意識して作った」とおっしゃっていたんです。
村社会をテーマにした作品は、邦画でも洋画でもありますけど、この作品は今までありそうでない、見たことあるようでないお話だなと思っています。
ーーそもそも深川さんは、こういったテーマの映画は、ご覧になりますか?
ホラーは苦手なんですけど、スリラーは好きです(笑)。ちょっと似ているジャンルだとは思うんですけど、幽霊系のホラーは苦手です。現実に起こりそうって思ってしまうので。スリラーは、サスペンスとかミステリーみたいに、どんでん返しがあったり、謎が含まれていたりするので、それを想像しながら観るのはすごく好きです。
ーー具体的に好きな作品はありますか?
『バタフライ・エフェクト』も好きですし、『ガタカ』とか『エスター』とか。あと、どんでん返し系なんですけど、ドラマの「 瞳の奥に」も衝撃を受けました。自分でも調べたりして面白そうな作品を観ることが多いですね。なので、今回のテーマのような作品は好きですよ。