Feb 11, 2022 interview

中田秀夫監督が語る 『嘘喰い』と漫画原作映画への視点

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シリーズ累計発行部数880万部突破の迫稔雄原作漫画「嘘喰い」が遂に実写映画化。2022年2月11日に全国公開される。主人公の天才ギャンブラー“嘘喰い”こと斑目貘を演じるのは、人気実力ともに若手筆頭株の横浜流星。あらゆるギャンブルを取り仕切る会員制秘密倶楽部「賭郎」。日本の政財界をも支配するこの巨大組織に、斑目貘と一緒に立ち向かう梶隆臣に佐野勇斗、鞍馬蘭子に白石麻衣が熱演する。

騙し合いと暴力の世界の実写化を担ったのは、『リング』『仄暗い水の底から』と、作品がハリウッドリメイクされたJホラーの巨匠として知られる中田秀夫監督。取材撮影中、主演の横浜流星に「ガンバレ!」と応援され、「ありがとうございます!」と答えるチャーミングな面も持つ中田監督に映画『嘘喰い』の魅力にくわえ、漫画原作の映画制作について、そしてエンタメ業界の現在について伺った。

映画になる漫画とはなにか

ーー 『事故物件 怖い間取り』に続いての映画作品となった『嘘喰い』ですが、メガホンを取られた経緯を教えてください。

ワーナー映画、制作プロダクションのプロデューサーの方々から「『嘘喰い』という漫画の原作で監督やらない?」とオファーがきたという、シンプルな経緯ですね。

ーー 「嘘喰い」という漫画はご存知でしたか?

存じ上げませんでした。僕が漫画をよく読んでいたのは、大学生くらいまでですからね。

ーー 何を読まれていましたか?

大学生のときに読んでいたのは、つげ義春。そっち系ですね。ですがこの間、まったく読んでいないわけではないです。邦画界は、漫画から映画になることも多いので、自分から映画の企画を探すときに、本屋さんに行って漫画のコーナーに入ったりします。そういうときに「これは映画になるかも」と思った作品は、だいたい映画化されてますね。

ーー そうなんですね!ちなみに、どんな漫画が映画になると思われました?

当たり前かもしれないけど『東京喰種』、『キングダム』。それに『恋は雨上がりのように』は、多分まだ手がつけられてない頃に、僕がある制作会社に言ったんだけどダメでした。僕はああいうのこそやりたいんですけどね‥‥。最近『さんかく窓の外側は夜』は、「これは映画になりますよ!」って言ったら、もう去年松竹で映画になっていました。ときどきそういうポカもやりますね(笑)。

ーー この漫画は映画になる!と思われる観点はどこですか?

売れていれば、すべて映画になりやすいわけではないと思います。ですけど、実写映画にして、キャッチーなフック、つかみがあるかどうかは、勘というかなんというか‥‥。1巻目を読めば、すべて分かるとは言わないけれど、極端にいうと表紙を見れば分かるときもあります。「うわぁ〜ハズレた~」っていう方が多いですけどね(笑)。

あとは家族の推薦があって、試しに出版社及び作者の方に、ラブレターというか、熱意を告げたら通るとか、時々ありましたね。ただ、なかかなか難しくて、やっぱり映画会社がつかないと一個人が出版社と話すということにはならないです。でも最近ね、漫画ではないですが、とある作品で、自分が手を上げたことで「映画化権をお渡します」と言われたので、そういうことを地道にやる意味はあるなと思っています。