Jun 08, 2019 interview

岡田准一が語る『ザ・ファブル』、“闘いの連続”だった現場とコミカルシーン撮影秘話

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コミカルなシーンで大事にした“異質感”

──本作はコミカルなシーンも満載で「木更津キャッツアイ」(02・03・06年)や「タイガー&ドラゴン」(05年)以来の岡田さんの振り切ったお芝居も見られました。

コミカルな芝居は宮藤官九郎さんの現場でかなり鍛えられましたからね(笑)。それ以来、コミカルなシーンのある作品はやってなかったので今回久々でした。ドラマや映画の撮影はリハーサルを含めて何回もやるので、例えばコミカルなシーンの芝居をすると、10回中9回はスベっている感覚になるんです(笑)。一発目はみんな笑ってくれるけどだんだん誰も笑わなくなるので、そのうち「良い間で言えてるのかな?」とわからなくなる。それは宮藤さんの現場の時もそうだったのでいろいろと思い出しました。

──いくら撮影とはいえ9回もスベるのは辛いですよね(笑)。

慣れてますけどね(笑)。「木更津キャッツアイ」の時は誰かがボケて僕がツッコミを入れるシーンが多かったんですけど、編集することを考えるとツッコミの台詞を食い気味に言ってはいけない時もあって、わざと少し間を空けてからツッコミを入れたりしていました。スタッフさんに「編集の時に良い間でツッコミを入れてるように繫げますから」と言われて(笑)。そういう経験をたくさんしていたので、それと比べたら今回はそこまで難しくは感じていなかったです。頭にインコを乗せて、急に笑うだけでみんな笑ってくれるので(笑)。

──ファブルは笑わせようと思っているわけではなく、真面目に変な行動を取るところが面白いというのも、宮藤さんの作品でやってきた笑いとは違う点ですよね。

そうですね。ファブルはシビアな環境からいきなり普通の生活を送るので、そこに馴染もうとただ一生懸命なだけなんですけど、周りからしたらちょっと変な人に見えてしまう。だから今回は僕というよりも、木村文乃さん(相棒・ヨウコ役)や佐藤二朗さん(バイト先の社長役)など、周りの俳優さんが苦労されていたんじゃないかなと思います。何をされても言われても、ファブルは一貫してリアクションが薄いので。そこも「木更津~」の時とは違うかなと思います。

──今回はご自身ではそこまでコミカルな芝居を意識したわけではなかったということでしょうか?

僕としてはコミカルさを意識して演じたことはなかったです。プロの殺し屋と“普通の生活”に馴染もうとしてる佐藤アキラのギャップが面白いので、その“異質感”みたいなのは大事にしていました。他に意識したことと言えば、スイッチを切り替える時におでこをトントンする場面の顔ぐらいで、真面目にやるか面白い感じにするか、そこに関しては監督と相談しながら、シーンに合わせて変えていました。ただ、面白くしたい場面で気合いを入れすぎると逆に空回りしてしまうので、ほどほどにやることも意識していました(笑)。

取材・文/奥村百恵

プロフィール
岡田准一(おかだ・じゅんいち)

1980年生まれ、大阪府出身。1995年にV6としてCDデビュー。2002年に放送されたドラマ「木更津キャッツアイ」にて主演を務めた。主な出演作に「SP」シリーズ(07~11年)、NHK大河ドラマ「軍師官兵衛」(14年)、映画『永遠の0』(13年)、『図書館戦争』シリーズ(13・15年)、『海賊とよばれた男』(16年)、『関ヶ原』(17年)、『散り椿』『来る』(18年)、「白い巨塔」(19年)など。『散り椿』にて第42回日本アカデミー賞の優秀主演男優賞を受賞。2020年には『燃えよ剣』が公開予定。V6としてダブルAサイドシングル「ある日願いが叶ったんだ/All For You」が発売中。

作品情報
『ザ・ファブル』

どんな相手も6秒以内に殺す――。“ファブル(寓話)”と呼ばれるその謎の殺し屋(岡田准一)は、裏社会で誰もが“伝説”と恐れる存在だった。しかし、ちょっと仕事をし過ぎた彼に、ボス(佐藤浩市)は「1年間、一般人として普通に暮らせ。休業中に誰かを殺したら、俺がお前を殺す」と指令。ファブルは佐藤アキラという偽名を使い、相棒のヨウコ(木村文乃)と共に、初めて一般人として街に溶け込む生活を始める。インコを飼ったり、バイトしたり……。殺しを封じ、“普通”を満喫し始めた矢先、ファブルの命を狙う裏社会の組織や、ファブルに助けを求める者たちが次々に現れ、事態は思わぬ方向へ急発進。“絶対に殺してはいけない”指令のもと、絶体絶命のピンチを切り抜け平和に暮らせるのか――?
原作:南勝久「ザ・ファブル」(講談社「ヤングマガジン」連載)
監督:江口カン
脚本:渡辺雄介
出演:岡田准一 木村文乃 山本美月 / 福士蒼汰 柳楽優弥 向井理 佐藤二朗 安田顕 佐藤浩市
配給:松竹
2019年6月21日(金)公開
©2019「ザ・ファブル」製作委員会
公式サイト:http://the-fable-movie.jp/

原作紹介
「ザ・ファブル」南勝久/講談社

2014年から『週刊ヤングマガジン』(講談社)にて連載中。凄腕の殺し屋“ファブル”ことアキラの1年間の危険な休業生活を描き、第41回講談社漫画賞一般部門を受賞。現在までにコミックス18巻が刊行されている。