Jun 08, 2019 interview

吹替一切なし!岡田准一が明かす『ザ・ファブル』&現代劇アクションへの熱き想い

A A
SHARE

2017年度講談社漫画賞を受賞した南勝久による人気コミックを実写化した映画『ザ・ファブル』。どんな相手でも6秒以内で殺めることができ、異常なまでの動体視力と身体能力を持つ凄腕の殺し屋“ファブル(=寓話)”の1年間の危険な休業生活を描いた本作。吹替一切なしのアクションと、コミカルな芝居でファブル/佐藤アキラを魅力的に演じた岡田准一が、撮影秘話や役を演じる上で意識したこと、漫画原作の実写化の難しさなどを語った。

試行錯誤しながら作り上げた殺陣

──本作は『ボーン・アイデンティティー』や『96時間』シリーズ(2作目、3作目)などに関わったフランス人のアクション監督アラン・フィグラルズさんと、富田稔さん率いるアクションチームがスタントコーディネーターとして参加されていますが、アクションシーンの撮影はいかがでしたか?

ファブルが裏社会の組織の人たちと戦うアクションシーンはアランと富田さんが殺陣を作っているのですが、アランは元軍人ということもあってリアルな殺陣を作り込んでいました。例えば『96時間』とかでやっているような生っぽい殺陣をアランが得意としていたので、言葉ではなく動きでコミュニケーションを取りながら作っていったり。僕も武術や格闘技をやっているので、言葉というよりは実際に動きながらのほうがわかりやすいんです。あとは銃の構え方なども含めて少しマニアックなことをやろうとアランが提案してくれたので、富田さんを交えてみんなで一緒に試行錯誤しながら殺陣を作っていました。

──アクションシーンはかなり迫力があって本作の見どころのひとつでもありますよね。

ただ、ファブルが大勢に囲まれて戦うシーンは大変でしたね。

──それは何故ですか?

昔、アクションについて勉強したことがあるんですけど、例えば海外のアクションものは主人公が走っていたら何か大きな物が上から落ちてきてそれをよけたり、いろんな受難を作ってアクションを構成することで観客を引き込ませるというのが主流です。ところが日本で制作するアクションものはそこまで予算がかけられないので、何かを壊したり爆発させたりというよりは、悪役を100人投入させて画を派手に見せるという手法をよく使う。その大人数でのアクションの中で、どのような動きが効果的なのかを探るのが難しかったですね。キャラクターの個性を活かした殺陣や空間をどう使うかで面白いアクションシーンになると思うので、撮影ギリギリまで話し合いながら作っていきました。さらには、真夏にマスクを被りながらやっていましたからね(笑)。

──壁を登るシーンもご自身で演じられているんですよね?

はい。マスクを被っているシーンは僕じゃなくても良かったんじゃないかなと思ったのですが(笑)、アクションチームの方に僕の動きが独特すぎて真似できないと言われてしまって(笑)。もしかしたらファブルの抱えているものが動きや表面に現れていたのかもしれないですね。