Mar 24, 2018 interview

ハイジ役で今でも現役! 名優・杉山佳寿子の声優道

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杉山

大作とかではないんですが、1971年にテレビ放送された『カバトット』という作品がありまして、そこでやらせていただいたシャクトリムシの役は今でも忘れられません。台本には「シャクトリムシ」としか書いてないんですよ。後は全部おまかせってことで(笑)。

古川

ああ、思い出した。これ、イベントでやってもらうと盛り上がるんだよね。

杉山

シャクトリムシってどんな声で鳴くと思います? 鳴かないですよね。仕方ないから「シャク、シャク、シャク……一尺、二尺、三尺……」って(笑)。不思議な体験をしました。

平野

そういう分からないことを演じないといけないのも声優の難しいところですよね。

杉山

『うる星やつら』(1981年)のテンちゃんの関西弁とかもね。よく誤解されるんですが、私、名古屋出身なんで、厳密には関西の人間じゃないんですよ。だから、テンちゃんの関西弁も正確じゃないんです。なので、いつ、ファンの方から突っ込まれても良いように理論武装してました。

古川

どういうこと?

杉山

あれは関西弁じゃなくて、ラム星弁なんですよ、と(笑)。ただ、幸い、誰からも突っ込まれなかったので、結局、言わずに終わりました。

平野

そんな『うる星やつら』に関するお話は、次回、たっぷり聞かせていただきましょう!

構成・文 / 山下達也 撮影 / 根田拓也

プロフィール

杉山佳寿子(すぎやまかずこ)

4月9日生まれ、愛知県名古屋市出身。青二プロダクション所属。1967年に『冒険ガボテン島』のトマト役で声の仕事を始める。出演している主なアニメーション作品には、「アルプスの少女ハイジ」で主人公のハイジ、「うる星やつら」のテンちゃん、「Gu-Guガンモ」のガンモ、「キテレツ大百科」のコロ助など多数ある。タカラのリカちゃん人形のテレホンサービス、リカちゃん電話のリカちゃん役は1967年から25年以上担当した。

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古川登志夫(ふるかわとしお)

7月16日生まれ、栃木県出身。青二プロダクション所属。1970年代から活躍を続け、クールな二枚目から三枚目まで幅広い役を演じこなす。出演している主なアニメーション作品には、TVシリーズ「機動戦士ガンダム」(カイ・シデン役 1979~80年 テレビ朝日)、映画・TVシリーズ「うる星やつら」(諸星あたる役 1981~86年 フジテレビ)、映画・TV「ドラゴンボール」シリーズ(ピッコロ役 1986~ フジテレビ)、映画・OVA・TVシリーズ「機動警察パトレイバー」(篠原遊馬役 1989~90年 日本テレビ)、映画・TV「ONE PIECE」(ポートガス・D・エース役 1999年~)など多数ある。

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平野文(ひらのふみ)

1955年東京生まれ。子役から深夜放送『走れ!歌謡曲』のDJを経て、’82年テレビアニメ『うる星やつら』のラム役で声優デビュー。アニメや洋画の吹き替え、テレビ『平成教育委員会』の出題ナレーションやリポーター、ドキュメンタリー番組のナレーション等幅広く活躍。’89年築地魚河岸三代目の小川貢一と見合い結婚。著書『お見合い相手は魚河岸のプリンス』はドラマ『魚河岸のプリンセス』(NHK)の原作にも。