正義や責任を、新聞記者を通して届けるのが私の役
――全6話を拝見すると、お三方の共演シーンは実は少ないですね。
綾野 多くはなかったですね。米倉さんが、遠くから僕を見てるっていうシーンなど。
米倉 でも、病室で2人が語りあうシーンは、私は楽しかったです。
綾野 僕もです。いきなり5話から撮るようなことは当然なかったので、1話、2話、3話と順撮り気味に撮ってきたので、たどりついたっていうか。
米倉 うん、そうだね。「新聞記者」ってタイトルですけど、いろんな人の正義や責任を、新聞記者を通して、みなさんにお届けしているのが私の役だと思うんです。それぞれが重荷を背負っている姿を見てきているので、綾野さん演じる村上さんの重みっていうのを、病室のシーンでいちばん感じました。
綾野 だから、後半の後半でようやくこの3人が会うシーンは、もうすごいところまでたどり着いたなっていうか、ここまで来たかっていう(笑)。
米倉 どういう化学反応が起きるのかなっていうドキドキがあったよね。
横浜 たしかに気合いは入りました。その日が楽しみではありましたけど、亮としては違いますよね。剛さんが演じた村上は、亮を追いつめた側の人間なので。だから、実際の村上の姿を見たときに亮がどう感じるか、その空気感をお二人が作ってくださったので、やっぱり役や作品との向き合い方、入り込み方っていうのは、もっともっと自分も考えていかないといけないなって思いました。
――米倉さんは、綾野さん横浜さんと初共演されていかがでしたか?
米倉 初めて会うときは、普通に人として仲良くなりたいなと思ったりとか、嫌な人じゃないといいなと思ったりしてましたけど(笑)。俳優という仕事に対する向き合い方が、2人はすごく真面目だなと思いました。2人にはそれぞれの色があって、それぞれのエネルギーがあるっていうことは、もうみなさんおわかりだと思います。
横浜 僕は米倉さんに最初、めちゃ緊張しました。
綾野 してたね(笑)。
米倉 ウソ !?
横浜 それが本当にフランクで、現場を引っ張って雰囲気を作ってくださるお姉さんでした。僕が米倉さん演じる松田さんに会いに行くシーンは、松田さんの本音や信念みたいなことを素直に話してもらうんですが、そのときの米倉さんの役への向き合い方、全てにおいていろんなものを感じました。だから今、こうやって一緒に取材を受けていることが幸せだなって思います。
綾野 米倉さんとは、もっと早く出会っていたかったですし、もっと早く共演していたかったと、素直にすごく思いました。全部引っくるめて圧倒的なプロなんです。僕にも流星くんにも、それぞれのプロ意識がありますが、僕たちはどっちかって言うと内包している体質で、米倉さんはそれをちゃんと表現されている。