Oct 27, 2019 interview

染谷将太×戸田恵梨香が語る映画とドラマの違い、俳優としてのルーツと感化された一冊

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映画とドラマの違い、影響を受けた人物と本

──先ほど戸田さんが「映画らしい現場だと感じた」とお話されていましたが、お二人はドラマと映画それぞれの違いをどんなところに感じますか?

戸田 ドラマに出演させていただく機会が多かった私にとって、ドラマの現場のスピード感が普通でしたし、そのおかげで瞬発力や集中力の使い方を学ばせてもらったと思っています。ですが、今回の作品のように長回しの撮影が多い現場では集中力を持続させなければならず、ブレないお芝居をするために精神統一の時間が必要でした。そこがドラマの現場とは大きく違うように思います。

染谷 じつはいただいた質問のようなことが僕の中で大きなテーマでもあるんですけど、もちろんドラマと映画の現場で違いはあるはずなんです。戸田さんがおっしゃったように撮るスピードが違いますし、ドラマは台本が撮影ギリギリにあがったりしますから。だけどそういった物理的な違いがあるだけで、作品と向き合って真剣にお芝居をすることには変わらないので…。最近、ちょうどそのふたつの違いを考えていたところです(笑)。

──戸田さんは現在放送中の連続テレビ小説『スカーレット』に出演されていて、染谷さんは『なつぞら』に出演されていました。そんなお二人が本作で姉と弟を演じているのも何かの縁かと思うのですが、染谷さんから戸田さんに何かアドバイスがあればぜひ!

染谷 アドバイスと言われましても…、僕はヒロインではなかったので(笑)。

戸田 あはははは(笑)! いま撮影しているんですが、民放の連ドラよりはるかに速いスピードで撮っているので、驚いています。とくに朝ドラの撮影は少し特殊なので、ちゃんと物語を紡いでいけているのか(笑)、とにかく必死に挑ませていただいています。

染谷 朝ドラの撮影を経験すると「時間は本当に待ってくれないんだな」ということに気付かされますよね(笑)。

戸田 ほんとに(笑)。でもがんばって撮影しているので、こちらもぜひお楽しみいただけたら嬉しいです!

──最後に、お二人がいままでに影響を受けた映画や本を教えてください。

染谷 ジャッキー・チェンがきっかけで映画が好きなったので、僕のルーツはジャッキーです! 『ラッシュアワー』(98年)の1作目でジャッキーにハマりまして、過去の作品も遡って全部観ました。でもやっぱり一番は『ラッシュアワー』で、VHSがすり切れるほど観たのを覚えています(笑)。ジャッキーの出演作は性別年齢に関係なく誰が観ても楽しめますし、身体をフルに使ったパフォーマンスも見応えがあって、感情が伝わってくるアクションも素晴らしいんです。とにかくジャッキーが大好きです!!

戸田 私は森下典子さんの『日日是好日-「お茶」が教えてくれた15のしあわせ-』という本から大きな影響を受けました。京都で撮影していた時に読んだのですが、この本のおかげで心がすごく穏やかになったんです。五感で感じることはいまの自分にとって大切なんだなと気づきましたし、無心でただただ外の景色を見つめている時間もいいな、好きだなと、その本を読んで改めて思いました。心が整うのでオススメです。

取材・文/奥村百恵
撮影/中村彰男
染谷将太 ヘアメイク/AMANO
スタイリスト/清水奈緒美
戸田恵梨香 ヘアメイク/田崎未来
スタイリスト/影山蓉子

プロフィール
染谷将太(そめたに・しょうた)

1992年生まれ、東京都出身。2009年、『パンドラの匣』で映画初主演を果たす。2011年に『ヒミズ』でヴェネチア国際映画祭のマルチェロ・マストロヤンニ賞、日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。近年の主な映画出演作に『海賊と呼ばれた男』(16年)、『3月のライオン』 (17年)、『きみの鳥はうたえる』(18年)、『パラレルワールド・ラブストーリー』『旅のおわり世界のはじまり』(19年)など。今後の待機作に『シライサン』(2020年1月10日公開)、『初恋』(2020年2月28日公開)がある。

戸田恵梨香(とだ・えりか)

1988年生まれ、兵庫県出身。『デスノート』2部作(06年)で映画デビューを果たして以降、『ライアーゲーム』(07・09~10年)、『SPEC』シリーズ(10・12・13年)など数々の話題作に出演。近年の主な出演作に、映画『無限の住人』(17年)、『劇場版コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』(18年)、『あの日のオルガン』『町田くんの世界』(19年)、ドラマ『大恋愛〜僕を忘れる君と』(18年)など。 現在放送中のNHK連続テレビ小説『スカーレット』でヒロイン役を務めている。

公開情報


『最初の晩餐』
カメラマンの東麟太郎(染谷将太)は父・日登志(永瀬正敏)の葬儀のために故郷へ帰ってきた。姉の美也子(戸田恵梨香)と準備をする中、母・アキコ(斉藤由貴)が、通夜ぶるまいは自分で作ると言い出した。やがて運ばれてきたのは、目玉焼き。親戚たちがざわつく中、麟太郎は気がつく。「これ、親父が初めて作ってくれた料理です」――。懐かしい手料理を食べるたび、思い出が麟太郎たちの脳裏に蘇ってくる。20年前に父と母が再婚した日、連れ子の兄・シュン(窪塚洋介)と5人で暮らした日々のこと…。止まっていた家族の時がいま、ゆっくりと動き出す。
監督・脚本・編集:常盤司郎
出演:染谷将太 戸田恵梨香 窪塚洋介 斉藤由貴 永瀬正敏  森七菜 楽駆 牧純矢 外川燎 池田成志 菅原大吉 カトウシンスケ 玄理 山本浩司 小野塚勇人 奥野瑛太 諏訪太朗
配給:KADOKAWA
2019年11月1日(金)公開
© 2019『最初の晩餐』製作委員会
公式サイト:saishonobansan.com