May 19, 2019 interview

玉森裕太、“財産”と語る『パラレルワールド・ラブストーリー』で得たこと、課題にした監督の言葉

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“すごく不思議な雰囲気”と語る好きな恋愛映画

――東野圭吾さんの原作小説はお読みになりましたか?

読んだんですけど、理解するまでに3回くらい読み直しました(笑)。物語をきちんと理解するには、自分のちっぽけな頭だと1回ではわからなかったです。何度か原作を読んで理解してから、台本を読みました。

――東野圭吾さん原作の映画でお好きな作品があれば教えてください。

原作を途中まで読んでいたので、『マスカレード・ホテル』(19年)はすごく気になっています。実はまだ観られていないんですけど、絶対観ようと思っています。

――本作はラブストーリーでもあると思うので、玉森さんのお好きな恋愛映画を教えてください。

『ビフォア・サンライズ 恋人までの距離 <ディスタンス>』(95年)という映画です。三部作で他に2作ありますけど、この『~サンライズ』が一番好きです。ただ二人がしゃべっているだけなのに、いろいろなことを考えさせられますし、そのただしゃべっているだけの描写を切り取っている感じがすごく好きで。二人とも絶対お互いを好きになっているんだから大事な言葉を言えばいいのにってもどかしく感じたり。僕の中ではすごく不思議な雰囲気の映画です。

――電車の中で偶然出会った二人が、ウィーンの街を一晩中、話しながら過ごすという物語ですが、ご自身だったら電車の中でちょっといいなと思う女の子に話しかけられますか?

いや、自分だったらまず絶対話しかけないので、お話自体、全く進まないでしょうね(笑)。あんなことがあれば素敵だなとは思います。

取材・文/熊谷真由子

プロフィール
玉森裕太(たまもり・ゆうた)

1990年生まれ、東京都出身。2011年、Kis-My-Ft2のメンバーとして「Everybody Go」でCDデビュー。以降、映画、ドラマ、バラエティ、舞台と幅広く活躍。主な出演作に、初主演ドラマ「美男ですね」(11年)、単独初主演作「信長のシェフ」(13年)、「リバース」(17年)、「重要参考人探偵」(17年)、映画『ごくせん THE MOVIE』(09年)、『劇場版 私立バカレア高校』(12年)、『劇場版 ATARU-THE FIRST LOVE & THE LAST KILL』(13年)、映画初主演作『レインツリーの国』(15年)など。バラエティ番組「キスマイ超BUSAIKU!?」(CX)、「10万円でできるかな」(EX)などでも活躍中。

作品紹介
『パラレルワールド・ラブストーリー』

ある日突然、崇史(玉森裕太)が迷い込んでしまったふたつの世界。ひとつの世界は、愛する麻由子(吉岡里帆)と自分が恋人同士。しかし、もうひとつの世界では麻由子が親友の智彦(染谷将太)の恋人に……。混乱する崇史の前に現れる、ふたつの世界をつなぐ【謎】の暗号。目が覚めるたびに変わる世界で、真実にたどり着けるのか?
原作:東野圭吾「パラレルワールド・ラブストーリー」(講談社文庫)
監督:森義隆
脚本:一雫ライオン
音楽:安川午朗
出演:玉森裕太 吉岡里帆 染谷将太 筒井道隆 美村里江 清水尋也 水間ロン 石田ニコル / 田口トモロヲ
配給:松竹
2019年5月31日(金)公開
©2019「パラレルワールド・ラブストーリー」製作委員会 ©東野圭吾/講談社
公式サイト:parallelworld-lovestory.jp

原作本紹介
「パラレルワールド・ラブストーリー」東野圭吾/講談社文庫

東野圭吾による異色の恋愛ミステリー。東野が20代の頃にアイデアが生まれ、30代に小説化された。複雑な構造のストーリーで、東野は「映像化となればさらにハードルが上がるはず」と語り、映画版について「逃げることなく、見事に真っ向勝負した作品」「きっと多くの人が、この映画に翻弄されることでしょう」とコメントを寄せている。

玉森裕太さんが好きなラブストーリー
『ビフォア・サンライズ 恋人までの距離 <ディスタンス>』(95年)

列車の中で偶然出会った男女が、意気投合してウィーンで途中下車し、街を歩きながら語り合い、別れの朝がくるまでの14時間を描く。『6才のボクが、大人になるまで。』などのリチャード・リンクレイター監督作で、イーサン・ホーク&ジュリー・デルピーが出演。ベルリン国際映画祭では監督賞を受賞した。2004年に続編の『ビフォア・サンセット』、2013年には三作目『ビフォア・ミッドナイト』が製作された。