May 19, 2019 interview

玉森裕太、“財産”と語る『パラレルワールド・ラブストーリー』で得たこと、課題にした監督の言葉

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追い込まれることはそんなイヤじゃない? 撮影中に課題にした監督からの言葉

――現場では森義隆監督が玉森さんをすごく追い込んでいたそうですね。

俺、たぶんMなので、追い込まれることはそんなイヤじゃないんですよね。追い込まれた時にこそ出るものがあると思うし、別に追い込まれても自分がまだまだできていない、監督の求めているところに到達できていないと思うタイプなので。

――やる気が刺激される?

そうですね。

――監督も玉森さんに刺激されてドSぶりが発揮されたのかもしれないですね(笑)。

監督はたぶんド変態な人だと思います(笑)。監督がコメントされているのを読んだんですけど、俺がカメラ前で緊張して震えていた姿がセクシーだったって書いてあったんですよ。いやいや、そんなことなかなか思わないだろと思って(笑)。そういうふうに捉えるのはすごく面白いなと感じましたし、監督は相当スケベだと思いました(笑)。

――なるほど(笑)。監督はクランクイン前に、「映画俳優・玉森裕太の今までに見たことがない表情を引き出す」とおっしゃっていたそうですね。

果たしてスクリーンの中でそういう表情を出すことができていたのか、自分で観ても自分の顔のことはあんまりわからないんですよね。試写の時に監督にお会いしたんですけど、その時はそういう話ができなかったので、監督に「どうでしたか?」って聞きたいです。

――監督から言われて印象に残っている言葉はありますか?

「“出す”のではなく“引き込んでほしい”」という言葉ですね。すごく抽象的な言葉なので、常に意識していましたけど難しかったです。撮影中は自分の中で課題にしていました。

――玉森さんが本作を経験して得られたことは?

僕もそんなに映画の経験があるわけではないので、お芝居に対しての考え方はもちろん、現場での居方や立ち居振る舞いも全てですね。これまでそういうことを言葉にして教えてくれた人はいなかったので見よう見マネでずっとやってきたんですけど、監督がきちんと教えてくださったので、映画作りってこういうことなんだと、ちゃんと学べたかなと思います。

――具体的にはどういうことを教えてもらったんですか?

撮影期間中は家に帰っても役を忘れないのは当たり前なんですけど、現場に入った瞬間から崇史のテンションでいてほしいということを言われていました。だから明るい日もあれば、すごい追い込まれてズドンと落ちている日もあって。その場だけではなく、作品の空気感を常に意識していましたね。

――撮影期間中にKis-My-Ft2としての仕事もあったと思いますが……。

そうですね。でも別に辛いことではなかったです。メンバーにもテンション低いと思われてるだろうなというのはありましたけど、今さら「元気ないけどどうしたの?」とかもう聞いてきません(笑)。言わずとも何かを察して放っておいてくれたのかなと思います。