ーーあのシーンは、とても母親らしいなと思いました。そして、これまでの池田さんが演じられてきた役柄のイメージと違う印象も受けました。初の母親役は、ご本人はどんな感じで受け止めていますか?
いただく役がバラバラすぎて、自分のイメージはよくわからないです(笑)。でも、緒形麻由美は、普段の私とそんなに差がない感じでした。どっちかって言うと、あんな感じかな?(笑)。割と私もおっとりしているので、いつもの役柄より演じやすかったです。
ーーそうなんですね。娘役の柚葉(佐藤恋和)ちゃんとは、どのように関係性を作っていったんですか?
彼女と出会ってから、なるべく2人の思い出をイメージして頭の中でたくさん作っておくことにしていました。
例えば、実際には行ってないけど、”遊園地に行ったよね?”とか、”ショッピングに行くのはココ”とか、”好きな色はこの色で、なぜなら好きなアニメのキャラクターがこの色だから”とか、そういうようなことを娘役の彼女と会うたびにたくさんイメージを作るようにしていました。
ーー作るっていうのは、娘さん役と思い出を一緒に共有するではなくて、池田さんの中だけで‥‥。
捏造していくって感じですね(笑)。もちろん作品の中では、切ないシーンがほとんどで、明るいシーンはなかったですけど、1カ月間という撮影期間、待機中に楽屋で娘と喋っている時間がたくさんあったので、その幸せが失われるというようなイメージでした。
そんなにお母さんを作り込んでいったわけではなく、比較的、彼女に対しての”愛しいな、大切だな”っていう気持ちをそのまんま演技に出した感じですかね。
ーーなるほど。池田さんの思う理想の母親像は、どういったイメージですか?
それは毎日変わるんじゃないですかね。現時点で言うと、子どもが大人になった時に”うちのママは最高だよ”って思える親じゃないですかね、私自身がそうなので。
幼いときは、自分の親は自由な人だなーって思っていたんですけど、今はその自由さが眩しいし、かっこいいなと思うので、自分の母親みたいな人が理想像ですかね。