Netflixでグルメドラマ『野武士のグルメ』が配信中だ。『孤独のグルメ』などでおなじみの久住昌之が原作を務めた同名漫画を、竹中直人を主演に迎えて連続ドラマ化したのだ。定年退職した小心者の男の食事中に、突然、男の理想の分身である野武士が登場するという異色の作品。実は20年来の付き合いがあるという竹中と久住にドラマの魅力について語り合ってもらった。
昔からお互いのファンだった
──おふたりは以前から交遊があったそうですね。
久住 20年来ですね。
竹中 そうですね。
──どういうところからお付き合いが始まったんでしょうか?
竹中 僕が一方的にファンだったんです。
久住 いやいやいや。僕もファンでしたよ。
──竹中さんはどの作品から久住さんのファンになったんですか?
竹中 『かっこいいスキヤキ』(泉晴紀氏とのコンビの泉昌之名義で発表された1983年の書籍)から始まってますね。
久住 デビュー作ですね。
竹中 あまりに面白くてもう感動しちゃいましたね。
久住 いやいやいや。
──作品のどういうところがお好きなんですか?
竹中 やっぱり、登場人物の人間性がちっちゃい感じです(笑)。
久住 ものすごく人間が小さい(笑)。
──収録作の久住さんのデビュー作『夜行』は、トレンチコート姿のハードボイルドな風貌の男がお弁当のおかずを食べる順番を延々と考えるという内容でした(笑)。久住さんが竹中さんのファンになったのはいつごろなんでしょうか?
久住 『ぎんざNOW』(TBSで1972~1978年に放送されたバラエティ番組)で竹中さんがいろいろモノマネやっているのを見たころからですね。最高でした。
竹中 まだ多摩美の学生だった頃ですね。丹波哲郎さんやブルースリー、松田優作さんとかやってましたね。
久住 (笑)。
──20年近い交流がありながら、お仕事をされるのは?
久住 今回が初めてですね。
竹中 『孤独のグルメ』が出版された頃からメッセージはいっぱい送ってたんですけどね(笑)。
──久住さんにそのメッセージは届いていたんですか?
久住 もちろんもちろん。届いてましたし、何かできたらいいなとは言ってたんですけど、(キャスティングに関しては)僕が決めることじゃないんで。