May 07, 2018 interview

白石和彌監督と松坂桃李が“共に勝負”した『孤狼の血』を熱く語り合う

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ダーティな色気の演出方法とは?鑑賞後も「日岡のその後を想像して楽しんで」(白石)

 

──広島の呉でロケを行ったとのことですが、特にお気に入りの呉のシーンを教えていただけますか。

松坂 僕は冒頭のシーンが好きです。「この映画はここが入り口ですよ」とワクワクさせるようなシーンというか。「いきなりこれか!」と衝撃を受けるかもしれませんけど(笑)、そこからも容赦なくどんどん物語が展開していくので面白いです。

白石 僕はシナハン(シナリオハンティング)の時に牡蠣筏を見つけて「ここで撮影したい!」と思ったんです。呉にあるマルカツ水産の漁師の方が全面的に協力してくださったんですけど、牡蠣筏のシーンはすごく楽しかったですね。

 

 

松坂 僕も牡蠣筏は新鮮でした。

白石 せっかくだから桃李くんに牡蠣を食べてもらおうと思ったら、食べちゃいけない時期で、牡蠣を口に含んだら全部吐かないといけなかったっていう(笑)。

松坂 ありましたね(笑)。マルカツ水産で働いているおじいさんも出演してくださっているんですけど、その方がとても良いので注目していただきたいです。

 

 

──今作では役所さんや松坂さんを始め、竹野内豊さんや江口洋介さんなど男性キャストの皆さんからダーティな男の色気を感じました。そういった色気はどのように演出されているのでしょうか?

白石 意識して撮ってるわけではないんですけど、ヤクザだろうが、男だろうが女だろうが、怖い部分とは反対の一面も必ず持っているので、出来るだけそういう対局な面も見せられたらとは思っています。カッコいいところだけを映してもダメで、滑稽な部分も見せたほうが魅力的というか。そんな風に一人の人間の両面を見せることがキャラクターの造形に繋がっていくと思うんです。日岡に関しても、前半はかなり振り回されてますし。

松坂 ボッコボコにされてます(笑)。

白石 そうやって日岡がガミさんに振り回されるほどに、後半で“血を受け継ぐ話”なんだとわかった瞬間ワクワクしてもらえるのかなと。そして映画を観終わったあとも日岡のその後を、いろんな風に想像して楽しんでもらえたら嬉しいです。

取材・文/奥村百恵
撮影/三橋優美子

 

 

プロフィール

 

白石和彌(しらいし・かずや)

1974年生まれ、北海道出身。1995年、中村幻児監督主催の映画塾に参加した後、若松孝二監督に師事。助監督時代を経て、ノンフィクションベストセラー小説を実写化した『凶悪』(13年)で第37回日本アカデミー賞優秀作品賞・監督賞ほか各映画賞を総なめした。近年の主な監督作に『日本で一番悪い奴ら』、『牝猫たち』、Netflixドラマ『火花』(16年)、『彼女がその名を知らない鳥たち』(17年)、『サニー/32』(18年)などがある。最新作『止められるか、俺たちを』(18年秋公開)が待機中。

松坂桃李(まつざか・とおり)

1988年生まれ、神奈川県出身。「侍戦隊シンケンジャー」(09年)で俳優デビュー。2011年の『僕たちは世界を変えることができない。But, we wanna build a school in Cambodia.』、『アントキノイノチ』で第33回ヨコハマ映画祭最優秀新人賞などを受賞。翌年の『麒麟の翼~劇場版・新参者~』、『ツナグ』、『今日、恋をはじめます』で第36回日本アカデミー賞新人俳優賞に輝いた。近年の主な出演作に『ユリゴコロ』『彼女がその名を知らない鳥たち』(17年)、『パディントン2』(声)、『不能犯』、『娼年』(18年)など。

 

 

作品情報

 

映画『孤狼の血』

昭和63年、暴力団対策法成立直前の広島・呉原で、地場の暴力団・尾谷組と新たに進出してきた広島の巨大組織・五十子会系の加古村組の抗争がくすぶり始める中、加古村組関連の金融会社社員が失踪する。所轄署に配属となった新人刑事の日岡秀一(松坂桃李)は、暴力団との癒着を噂されるベテラン刑事の大上章吾(役所広司)と共に事件の捜査にあたるが、この失踪事件を機に尾谷組と加古村組の抗争が激化していく。尾谷組の若頭役を江口洋介が演じるほか、竹野内豊や石橋蓮司ら豪華キャスト陣が脇を固める。原作者の柚月裕子は「『仁義なき戦い』なくしては生まれなかった作品。女が入ろうとしても入れない世界だからこそ格好いいというか、憧れました」と語る。

映画『孤狼の血』
原作:柚月裕子(「孤狼の血」角川文庫刊)
監督:白石和彌
脚本:池上純哉
音楽:安川午朗
出演:役所広司 松坂桃李 真木よう子 音尾琢真 駿河太郎 中村倫也 阿部純子 /中村獅童 竹野内豊/滝藤賢一 矢島健一 田口トモロヲ ピエール瀧 石橋蓮司 ・ 江口洋介
配給:東映R15+
2018年 5月12日(土)公開
©2018「孤狼の血」製作委員会
公式サイト:www.korou.jp

 

 

 

原作紹介

 

「孤狼の血」柚月裕子(著者)/角川文庫

2008年の『臨床真理』で“このミステリーがすごい!”大賞を受賞し、2013年の『検事の本懐』で第15回大藪春彦賞に輝いた柚月裕子によるベストセラー小説。警察vs極道のプライドを賭けた闘いが描かれ、第154回直木賞に候補入りを果たしたほか、第69回日本推理作家協会賞を受賞するなど、高く評価されている。

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