「細木数子」にしか見えなくなる女優・戸田恵梨香の強さ
池ノ辺 今回、細木数子を演じた戸田恵梨香さんとは、監督とすごく仲が良いと聞いています。
瀧本 向こうはどう思ってるかよくわかんないですけど (笑)。ただ、僕はこの作品ですごく彼女に助けられました。
池ノ辺 キャスティングが決まった頃のビジュアルだと、戸田さんがすごく痩せて綺麗で、「細木さんになれるのかな」と思ったんですが、実際見てみたら細木さんにしか見えなくなってきますね。
瀧本 細木さんって若い頃の写真をご覧になったらわかりますけど、本当にお綺麗なんですよ。どこかの映画会社のニューフェイスのブロマイド、みたいな写真もあって、真偽はやや怪しいんですが、10代の頃には「ミス渋谷」だったとご自身でもおっしゃっている。それぐらい評判の美人だったので、実は戸田さんが演じることになんらおかしなところはないんです。ただ、皆さんのイメージとしてはあの、晩年の強烈な姿でしょうか‥‥。

池ノ辺 そうなんです。どんな手を使って戸田さんを細木さんにしたんですか。
瀧本 顔からなにからフルボディメイクで、特殊メイクも、となったらほとんど着ぐるみですよね。そうじゃなくて、戸田さん自身が持っている強さの部分を意識して表に出しました。そしてこの劇中で2005年に細木さんは66歳になるんですが、実は当時彼女はエステにもきちんと行って、肌がものすごく綺麗だったんです。だから逆にしわくちゃというのも変なんですよね。それであれこれ試行錯誤して、あの姿に落ち着きました。物語を観ていけばちゃんと細木数子に見えるはずだと信じて。
池ノ辺 戸田さん自身は細木数子の役をするということについて、最初はどう思っていたんでしょうね。
瀧本 僕が引き受けた時点で戸田さんはもう決まっていたので、最初の頃、どう思っていたかはわからないです。ただ、すごく面白がってはいました。肝が据わった人なので、というより肝が据わった人じゃなければできない役だとは思いますけど、よく引き受けてくれたなとは思いました。
池ノ辺 戸田さんの新たな一面を見たような気がしました。
瀧本 僕は、彼女と仕事をするのは初めてだったんですけど、もともと肝の据わった女優さんだなとは思っていました。今回、半年間一緒にいて撮影してみたら、まあ大したもんだなと思いましたね。本当にかっこいい人です。

