Jan 27, 2024 interview

久保茂昭監督が語る 原作への愛、アイヌへのリスペクトが生み出した『ゴールデンカムイ』

A A
SHARE

「闘い」がいつか「夢」に変わるまで

池ノ辺 監督にとって、映画ってなんですか。

久保 本当は「夢」であってほしいんですが、今の僕にとっては「闘い」でしかないですね。

池ノ辺 それはどんな「闘い」ですか。

久保 映画というのは最強のエンターテインメントだと思うのですが、それを創り上げるというところにおいては、全てのものと闘う必要があると思っています。

池ノ辺 リングに立って真剣勝負に挑むような気持ちなんでしょうか。

久保 そうですね。それはスタッフとの闘いであったり、時間との闘い、予算との闘い‥‥いろいろある。そう言う意味で今の僕にとっては「映画」は「闘い」ですね。

池ノ辺 今回の『ゴールデンカムイ』の「闘い」の結果はどうですか。

久保 今回の闘いはまだ続いていると思っています。これからお客さまの反応もどんどん出てくるでしょう。そうしたところも含めて全ての責任は負うつもりでいます。

池ノ辺 いつか、映画が「夢」になった時の監督のお話もぜひ伺いたいですね。

インタビュー / 池ノ辺直子
文・構成 / 佐々木尚絵
撮影 / 岡本英理

プロフィール
久保 茂昭(くぼ しげあき)

監督

1973年生まれ。これまで、EXILE、安室奈美恵、DREAMS COME TUREなど数々の有名アーティストのミュージック・ビデオを500作品以上監督し、「VMAJ年間最優秀ビデオ賞」を5年連続受賞。ドラマ「HiGH&LOW~THE STORY OF S.W.O.R.D.~」(15)を皮切りに、同シリーズの映画公開作品を監督。その他の監督作品に、高橋ヒロシによる不良漫画の金字塔『クローズ』『WORST』のコラボ映画『HiGH&LOW THE WORST』(19)や『小説の神様 君としか描けない物語』(20)などがある。

作品情報
映画『ゴールデンカムイ』

舞台は気高き北の大地・北海道。時代は、激動の明治後期。「不死身の杉元」と異名を付けられた日露戦争の英雄・杉元佐一は、ある目的のために大金を手に入れるべく、北海道で砂金採りに明け暮れていた。そこで杉元は、アイヌ民族から強奪された莫大な金塊の存在を知る。金塊を奪った男「のっぺら坊」は、捕まる直前に金塊をとある場所に隠し、そのありかを記した刺青を24人の囚人の身体に彫り、彼らを脱獄させた。囚人の刺青は24人全員で一つの暗号になるという。そんな折、野生のヒグマの襲撃を受けた杉元を、ひとりのアイヌの少女が救う。「アシㇼパ」という名の少女は、金塊を奪った男に父親を殺されていた。金塊を追う杉元と、父の仇を討ちたいアシㇼパは、行動を共にすることとなる。

監督:久保茂昭

原作:野田サトル「ゴールデンカムイ」(集英社ヤングジャンプ コミックス刊)

出演:山﨑賢人、山田杏奈、眞栄田郷敦、工藤阿須加、栁俊太郎、泉澤祐希、矢本悠馬、大谷亮平、勝矢、高畑充希、木場勝己、大方斐紗子、秋辺デボ、マキタスポーツ、玉木宏、舘ひろし

配給:東宝

©2024映画「ゴールデンカムイ」製作委員会

公開中

公式サイト kamuy-movie

池ノ辺直子

映像ディレクター。株式会社バカ・ザ・バッカ代表取締役社長
これまでに手がけた予告篇は、『ボディーガード』『フォレスト・ガンプ』『バック・トゥ・ザ・フューチャー シリーズ』『マディソン郡の橋』『トップガン』『羊たちの沈黙』『博士と彼女のセオリー』『シェイプ・オブ・ウォーター』『ノマドランド』『ザ・メニュー』『哀れなるものたち』ほか1100本以上。
著書に「映画は予告篇が面白い」(光文社刊)がある。 WOWOWプラス審議委員、 予告編上映カフェ「 Café WASUGAZEN」も運営もしている。
映画が大好きな業界の人たちと語り合う「映画は愛よ!!」記事一覧はこちら