Nov 21, 2023 interview

山崎貴 監督が語る 『ゴジラ-1.0』のこだわりの詰まった超豪華な音と映像を余すところなく体感してほしい

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超豪華な音と映像を、余すところなく体感してほしい

池ノ辺 この作品は、もちろん素晴らしい役者さんたちが数多く出演されてますが、音響、映像にもかなりこだわって作られたんですよね。しかも、様々なラージフォーマットで上映されています。

山崎 Dolby Atmos、さらにDolby Cinemaに関しては、前々からやってみたかったんですがちょうど今回そういう機会をいただきました。

そもそも、HDRIも一時的には革命的な技術で、HDRと聞いただけでワクワクしてしまうんですけど、その技術が、CGを作るためだけじゃなくてそのまま映像に現れるようになるというのは非常に画期的なことなんです。ただ、実際の表層部分だけ見ると、地味といえば地味。ものすごい階調といわれても、脳にはそれが届いているはずなんだけれど、一般のお客さんにとってはぱっと見は変わらないと思うんです。でも、そのすごい階調で、スクリーンの向こうにもう一つの現実があるかのような画ができるわけです。

池ノ辺 奥行きが出るんですね。

山崎 そうです。それも、3Dムービーとしての奥行きではなくて、本当に目の前にある風景をのぞいてみているかのようなすごい情報量が使われていて、それがゴジラという映画の恐怖感を担保してくれている。「怪獣が出た!!」という恐怖を引き起こしているわけです。

池ノ辺 Dolbyで観た人に聞いたら、「ゴジラが出てくるところが最高なんです。真っ暗闇の表現もすごいし、ゴジラの声が上から降ってきたり、戦闘機の音が後ろから前に向かって動くときの音の表現もすごいんですよ」と興奮して話してくれました。監督のおすすめはDolbyですか。

山崎 これは難しいですね。今回は本当に超豪華で、Dolbyのほか、IMAX、MX 4D、4DX、ScreenX、4DXScreenと、6つのラージフォーマットで体験できます。まさかScreenXまでやるとは思わなかったんですけど(笑)。それぞれ特徴があって、どんなものを観たいかによって変わってくるんで、全制覇するのも面白いと思います。スタンプラリーみたいにして全部回ったら何かプレゼントするというのもいいかなと思いました。大変なんであまり簡単にはいえませんが(笑)。

池ノ辺 これは、ゴジラファンにはたまらないですよね。

山崎 椅子が動くとか、ゴジラが熱線を吐くと、温風が出るとか。一番すごい、頭おかしい(笑)、と思ったのは、4DXScreenで、全国に4か所しかないそうです。3面のスクリーンで、椅子が4DX。これはもうお話は一切入ってこなくて、ただの2時間のアトラクション、ゴジラ・ザ・ライドだとか(笑)。

池ノ辺 日比谷シャンテ1階のでっかいゴジラのポスターだって物凄いクオリティですよね。

山崎 あんなに大きくしても大丈夫なくらいCGデータでものすごい量の情報が入ってるんです。やりすぎかなと思ったんですが、あれだと近くに寄っても遜色ないですよね。