Dec 21, 2022 interview

中江功監督が語る 吉岡秀隆と共にドラマから映画まで繋げた強い想い『Dr.コトー診療所』

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日本の西端にある自然豊かな孤島・志木那島。19年前に東京からこの島にやって来たコトーこと五島健助は、島にいるたった1人の医師として島民たちの命を背負ってきた。今やコトーは島にとってかけがえのない存在となっている。数年前に看護師の星野彩佳と結婚、2人の間にはもうすぐ子どもが誕生する。ずっと平穏な日常が続くかに思われたが、変化の波は、この小さな島にも確実に訪れようとしていた。

山田貴敏の同名漫画を原作に、2003年・2006年に放送された名作テレビドラマ『Dr.コトー診療所』。その16年ぶりの続編が映画となって戻ってくる。主演の吉岡秀隆、柴咲コウら、お馴染みのキャスト・スタッフが再結集、ドラマの演出を手掛けた中江功の監督で、「Dr.コトー診療所」の今を届ける。

予告編制作会社バカ・ザ・バッカ代表の池ノ辺直子が映画大好きな業界の人たちと語り合う『映画は愛よ!』、今回は、『Dr.コトー診療所』の中江功監督に、ドラマ化の経緯、撮影時の苦労、映画への思いなどを伺いました。

俳優・吉岡秀隆との出会いから、Dr.コトー誕生まで

池ノ辺 監督と吉岡秀隆さんの出会いは、ドラマ『北の国から』の時ですよね。

中江 そうです。とは言っても、入社1年目に助監督として関わった『北の国から ‘89帰郷』の時の1本だけです。

池ノ辺 その頃から吉岡さんとは仲がよかったんですか。

中江 仲が良かったかどうかはわからないですが、札幌ロケで一度一緒にご飯を食べに行きました。といっても、吉岡さんは美術の衣装部とか小道具の人たちに可愛がられていて、当時下っ端だった僕が、店を決める係で一緒についていっていたという感じです。

池ノ辺 Dr.コトーを始めるときに、吉岡さんと組もうとなったのはどういった経緯でしょうか。

中江 2002年に『北の国から』が終わって、フジテレビとしては次に何をやろうかと、新しい作品を探していました。それと、吉岡さんの主演で何かやりたいというのがあったんです。『Dr.コトー診療所』はどうかというのが先に動いていたんじゃないかな。そこから、これを吉岡さんでやってはどうかという話になったと思います。

池ノ辺 当時の吉岡さんてどんな感じでしたか?

中江 彼から「『北の国から』に出演していた頃の自分は本当にガキで、現場のスタッフも顔と名前はわかっても何をしている人かわからなかったし、正直気にもしていなかった。とにかく必死だったし反抗期もあったし。だから中江さんの顔も覚えてはいるけど、当時何をしている人かはわからなかった」と後に2人で会った時に言われました。

池ノ辺 監督は「あの時は下っ端の助監督だったけど、今は監督だぜ」という感じだったんですか(笑)

中江 さすがに「監督だぜ」はなかったですね(笑)。『北の国から』の経験者はたくさんいるのになんで自分なんだとは思いました。第一、吉岡秀隆という役者は、自分より歳は下ですけど、異常に経験値の高い役者でしたから。

山田洋次、黒澤明といった名だたる監督と組んでいて、高倉健さん、渥美清さんとも共演経験があるという。そんな方々と会ったこともないという人の方が多い中で、ですよ。大体、尊敬する役者が渥美清さんて、この時代にあの年でそんな役者いませんよ。僕からするともう別世界というか、こちらの方が緊張していました。