Apr 23, 2022 interview

津田健次郎が語る “表現”へのリスペクトが胸にあった『テルマエ・ロマエ ノヴァエ』

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温泉に行こう、お風呂に入ろう

津田 この間、ラジオの番組に呼んでいただいて、そこで古代ローマ文化や日本の文化などを研究されている先生からお話を伺ったんですが、あの時代のローマ人と日本人って、気質がすごくよく似ているんじゃないかという。あそこまでお風呂に固執するとか、清潔な水に対する想いみたいなものが共通しているようなんですよ、それは世界的には特殊らしいですね。

池ノ辺 ヤマザキマリさんもそういうことがわかってきて描き始めたんでしょうね。お会いしました?

津田 まだお会いできていないんですよ。どこかのタイミングでお会いしたいなとは思っているんですが。

池ノ辺 お二人で対談するのもいいですね。今回の作品では、それぞれのエピソードの最後に「巡湯記」としてヤマザキさんが実際に各地の温泉地を訪ねているコーナーがあって、津田さんがナレーションされてます。本当にいろんなところを回って、あれを見るとなるほど行ってみようかとなりますね。

津田 温泉に行ってお風呂に入りたくなりますよね。

池ノ辺 エピソードの中で温泉卵とかフルーツ牛乳とか、温泉や銭湯に欠かせないものが出てきて、それがまたすごく美味しそうで、本当に食べてるのかなと思ったくらいでした(笑)。

津田 実際にはもちろん食べてないし飲んでないですよ、美味しく伝わるといいなとは思いましたが。

池ノ辺 美味しそうだなとか気持ちよさそうだなというのが、見てると伝わってきて、今だからこそ、体を休めて、心をゆっくりさせることが必要なんじゃないかと思いました。ちょっとゆっくりしたいなとか温泉入りたいなとか、すごくそんな気持ちになりました。

津田 それは一番ありがたい、嬉しい感想です。特に今の世の中はどこにも行かれないということが続いて、しんどいですよ。それも日本だけじゃなくて全世界的にそうです。そういう中で、アニメーションでお風呂に入った感じになってそこでほわっと癒やされていただけるといいなと思います。